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Chapter 6: 第6章

松井浩明が停職になったというニュースはすぐに会社中に広まった。

同僚たちは皆、陰で噂し合っていたが、誰も直接私に尋ねる勇気はなかった。

結局のところ、会社の人間は皆知っていた、私と浩明が長年の友人だということを。

私が彼にこれほど厳しい処分を下すということは、何か大事が起きたに違いない。

午後、部署の部長が私と話し合いを持った。

「剛、浩明のことはちょっとやりすぎじゃないか?」

鈴木部長は温厚な人柄で、いつも私たちを気にかけてくれていた。

「結局お前たちは古い友達だろう?何か問題があるなら、座って話し合えばいいじゃないか?」

「部長、これは個人的な問題ではありません」

私は浩明の最近の業務記録をまとめて見せた。

「これが彼の最近3ヶ月の仕事ぶりです。ご覧ください」

鈴木部長は資料を受け取り、丁寧に目を通した。

浩明はこの3ヶ月、確かに調子が良くなく、ミスが多く、効率も悪かった。

特にここ1ヶ月は、ほぼ毎日遅刻し早退していた。

「それに今回のプロジェクト報告は、部門全体の重要な業務です」

「彼は私的な理由で完成させることができず、プロジェクト全体の進捗を遅らせました」

「職場で大声を出して騒ぎ、オフィスの秩序を乱しました」

「会社の規定に従えば、停職処分は妥当なものです」

鈴木部長は資料を見終わると、しばらく黙っていた。

「剛、君の言うとおりだ」

「考えすぎていたようだ。君の対応には問題ない」

「ただ、もし彼が謝罪して自分の非を認めるなら、また一緒に仕事をすることも考えられるだろう」

私はうなずいたが、心の中では既に決めていた。

浩明は二度と戻ってこないだろう。

退社後、篠原晴香から電話がかかってきた。

「剛、浩明から会社のことを聞いたわ」

彼女の声は怒りに満ちていた。

「なぜ彼を解雇したの?」

「解雇じゃない、停職だ」

「それに違いがあるの?」

「もちろんある。停職は一時的で、解雇は永久的だ」

私は淡々と言った。

「でも彼がこのまま騒ぎ続けるなら、解雇もありえない話じゃない」

「桐山剛!あなたひどすぎる!」

「俺がひどい?」

私は冷笑した。

「晴香、張伟明に彼女がいることを覚えてる?」

電話の向こうが急に静かになった。

「どんな彼女?」


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