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1.85% 満レベル大物が捨て駒からヒロインに転生 / Chapter 7: 私はそこに行けない、ふさわしくないから

Chapter 7: 私はそこに行けない、ふさわしくないから

Editor: Pactera-novel

原田佳穂、そのように軽率に訪ねるのは、失礼だ。

「忘れてました」佳穂は居心地悪そうに言った。

「今日、叔母さん家に迷惑かけなかった?」静香は佳穂を呼び寄せて尋ねた。

「いいえ」佳穂は首を振った。

「どうしてこんなに遅く帰ってきたの?」静香はさらに聞いた。

「叔母さんが私も連れて秀章お兄さんの家に遊びに行ってきたんです」佳穂は説明した。

静香はそれを聞いてすぐに尋ねた。「ねえ、人に迷惑をかけなかった?」

事前に連絡もなく突然訪ねて行ったから、静香はやはり失礼したと思う。

「ママ、安心してください。私は誰にも迷惑をかけていません。秀章お兄さんも遠藤家のおばさまも私のことをとても気に入ってくれました」

「詩織のことはちゃんと気遣った?優しくしてあげた?」静香はさらに聞いた。

こんな話になると、佳穂はいつも不機嫌になる。

宮沢詩織は姉なのに、なぜいつも自分が詩織に遠慮しなければならない?詩織が私に配慮してくれるんじゃない?。

佳穂は静香の質問に答えず、こう言った。「そこで丁度、秀章お兄さんの叔父さんに会った、叔母さんたちは遠藤大奥様の誕生日パーティーに招待されました。私もそこにいたのに、叔母さんは私を連れて行かないって」

佳穂は不機嫌に口をとがらせて愚痴を言っている。「ついでに私を連れて行けばいいのに、叔母さんはそうさせないんだ。つまり、私をよそ者扱いして、多くの人と逢える場所には連れて行かないんです。遠藤大奥様の誕生日パーティーに行けば、たくさんの偉い人と知り合えて、私たちの家にも役立つのに。叔母さんはいつも『みんな家族』って言うけど、こういう時はそうじゃないってこと?」

静香は眉をひそめて聞いていた。佳穂のこういうアイディアがどんどん増えて、頑固になって、考え直せないことを恐れている。

「佳穂、自分の立場をわきまえなさい」静香は真剣で少し厳しい口調で言った。佳穂に忘れないでほしかったからだ。「私たちがこの生活を送れるのは、宮沢家のおかげだだよ。あなたのお父さんの仕事だって、叔父さんが手配してくれたものなのよ」

そうでなければ、お父さんの実力で、私たちが別荘に住み、お手伝いさんや運転手のある生活はできないだろう。

「叔母さんがあなたに優しくしてくれるからといって、詩織と同じになれるわけじゃないわ。あなたは宮沢ではない。叔母さんの姪っ子であって、実の娘じゃないのよ」と静香は言った。「あなたは何でも詩織と比べないで。彼女が持っているものは宮沢家が与えたもので、当然のことなの。それはあなたが当然受け取るべきものじゃないのよ」

佳穂の唇が震え、目が赤くなっている。

その様子を見ている静香はため息をついた。「あなたはまだ子供だから、こんなことは言いたくなかったけど、子供だからこそ、間違った考えや行動を放っておくわけにはいかないの。根深くなって、取り返せようがない時は、もう手遅れだから」

「佳穂、このことで叔母さんを恨まないでね。叔母さんは私たちに対してもう充分だよ」静香は念を押した。

「わかってます。安心してください」佳穂は素直に笑い、答えた。

娘が素直になったのを見て、静香は安心した。

夜、寝る前に、正幸は佳穂を見に部屋へ行った。

静香は知らないが、佳穂はこの件について正幸にも話した。

実は正幸はずっと自分なりの思惑を持っていた。彼は現在、宮沢家の会社で宮沢浩輔が用意してくれた職に就いている。

しかし正幸は宮沢家に頼り続けて、人の世話になることを望んでない。

それは、妻の縁故で生きているような感じて、家でも顔を上げられなかった。

彼はさらに、美月と静香が自分を見下していると感じていた。

彼は佳穂がこの機会を利用して、遠藤家と良い関係を築きたいと思う。

そうすれば、独立するにしても宮沢家の会社で勤めるにしても、少なくとも人々から重視され、より多くの発言権を得ることができるからだ。

「本当に行きたいなら、ホテルの入口まで送ってあげるよ」正幸は小声で言った。「しかし招待状がないから、中までは連れて行けないけど。もし入る方法があれば、送っていくよ」

「できるよ!」佳穂は遠藤秀章のことを思い出し、確信のある表情で言った。「入れる方法を絶対見つけるよ」

「よかった」

そうして、正幸と佳穂は約束し、静香には秘密にしておくことにした。

*

あっという間に遠藤大奥様の誕生日パーティーの日が来た。

宮沢一家はすでに支度を整え、森田ホテルへ出発する準備ができていた。

詩織は美月が選んだプリンセスドレスを着て、小さいバッグを斜めがけにして、とても可愛らしい。

「詩織、どうして智也がくれた人形をまだ抱えてるの?」彩音は詩織が眠れる森の美女の人形をしっかり抱きしめているのを見て、嫉妬する。

「僕たちたくさん買ってあげたでしょ?毎日違うのを持っていったら?」誠も続けて勧めた。

宮沢家三兄弟は翌日にたくさんの人形を買い、詩織の部屋は人形が満ちあふれそうになっている。

しかし、詩織は毎日この眠れる森の美女の人形を手放さない。

「お兄ちゃんたちがくれたのは、もちろん家に置いておくの。私だけが見るもので、他の人には見せられないの」詩織は眠れる森の美女の人形を抱きながら言った。

三人の兄はすぐに詩織の甘い言葉に魅了され、先ほどの嫉妬心を忘れてしまった。

そうだ、詩織が人形を外に持ち出したら、汚れたり、壊れたり、誰かに奪われたりしたら大変だ。

だから彼らがプレゼントした人形は、家で大切に扱っている。

彼らと智也は詩織の心の中では、全然違うランクである。

そうして、詩織は満足そうに一番お気に入りの人形を抱えて、両親と一緒に出かけた。

三兄弟は自分たちが妹に騙されていることに全く気づいてない。

宮沢一家が森田ホテルに到着した時、ちょうど入口で秀章を連れて来た康成と奈緒夫妻と出会った。

奈緒は美月を見て、すぐに笑顔で近づいてきた。

秀章は一歩後ろに下がたら、突然小さな人影が目に入った。

佳穂?

どうして彼女はここに一人でいるんだ?

秀章は前で歩いている両親を見た。彼らはまだ気づいてない。

秀章は佳穂が一人でいるのが心配だ。

それで、秀章はそっと佳穂に向かって歩いて行った。

宮沢家は康成夫妻に注目しているが、詩織だけが秀章の行動に気づいた。

そして秀章が行っている方向を見ると、佳穂がいる。

詩織は眉を上げた。今日は見所がありそうだ。

佳穂と秀章が自ら作ったチャンスだから、今日は二人をからかわないわけにはいかないだろう。

「佳穂、どうしてここにいるの?」秀章は近づいて尋ねた。

「家のお手伝いさんとはぐれてしまったの」佳穂は目を赤くして、慌てて説明した。「秀章お兄さん、どうしてここに?」

「今日は曾祖母の誕生日で、ちょうど森田ホテルで開かれるんだ」秀章は周りを見回したが、佳穂の世話係は見当たらず、宮沢家の人がいる。

このまま佳穂をここに置いておくわけにはいかない。秀章は手を差し伸べて言った:「ちょうど詩織たちも来ているから、一緒に行こう」

佳穂はためらった。「前に叔母さんが言ってたの。私は招待されなかったから、遠藤大奥様の誕生日パーティーには参加できないって。私は行ってはいけない、相応しくないみたい」


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