Synopsis
人は皆、男は中年になると容姿も体力も衰えると言う。
千葉心奈はそうは思わない。少なくとも、日下和也に関しては。彼は、仮に中年と呼ばれる年齢になろうとも、容姿も体力もなお素晴らしいままだった。
日下和也は手を挙げて抗議する:「僕はまだ35だ。中年なんて程遠いよ」
……
日下和也。名門の家に生まれ、一代で広威グループを築き上げ、ビジネス界に絶大な影響力を持つ男。
世間の評判は「成熟して重厚、厳格かつ辛辣、その背景は計り知れない実業家」。
その厳格で辛辣と評される成功者が、突如、年の差婚を発表。14歳年下の若き女性を妻に迎えたのだった。
千葉心奈。風雨に揉まれながらも、しなやかに、そして強かに生きてきた女性。
一世を風靡した豪華な結婚式とともに、彼女は名門に嫁ぎ、誰もが憧れる名門の奥様となった。
……
噂によると、日下の奥方は妖しく魅惑的で、清廉潔白で己に厳しい日下の魂を蕩かしたのだという。
別の噂では、日下は若い妻を底なしに溺愛しているのだという。
とあるインタビューでの一幕。
司会者:「日下さんが奥さんと結婚されたのは、お若くて美しいからだと言われていますが、本当ですか? 美しさ以外で、奥さんのどのようなところに惹かれましたか?」
日下和也:「僕は彼女を愛している。彼女が美しかろうと美しくなかろうと、僕は結婚した。彼女には他の長所など必要ない。彼女が僕を愛している——それこそが、彼女の最大の長所だ」
司会者は犬の餌を無理やり食べさせられたような気分になり、なおも食い下がった:「お二人の出会いを教えてください。いつ、どこで?」
日下和也:「初めて会ったのは、15年前だ……」
司会者:「……」
15年前、彼は彼女の命を救った。15年後、彼は彼女の人生そのものを手に入れた。
……
こうして21歳の千葉心奈は、日下家において、文字通り「愛でられる存在」となった。
日下の祖母:「奈ちゃん、さあ、この燕の巣のスープを飲みなさい」
日下の祖父:「奈ちゃん、この代々伝わるブレスレットをお前に預けるよ」
日下の父:「奈ちゃん、このカードを使いなさい。好きなものを買うのだ。遠慮は無用だよ」
日下の二番目の叔父:「和也、もし奈ちゃんをいじめたら、俺とお前の叔母さんが許さないからな!」
日下の二番目の叔母:「うん、うん、うん!」
日下の三番目の叔父:「俺から特に何か贈るものはないが、二人にボディガードを2人つけよう。喧嘩になれば、1人で10人分は軽く相手にする連中だ」
千葉心奈:「……」ただ妊娠しただけなのに、ここまでする必要ある?
【1対1、セレブ婚恋愛、甘々恋愛小説】
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