不真面目なモンスター娘改造日記
Autor: バハラン© WebNovel
Kapitel 1: 純潔を強制された聖騎士
Redakteur: Pactera-novel
「俺はこの最悪な運命を呪う」
薄暗い灯りの下、端正な顔立ちの少年が雪のような白い髪を揺らし、口元を歪めて、少し自嘲気味の乾いた笑みを浮かべた。
「いや、マジでこれはないだろ……」
ハーバートは転生し、そして最近になって前世の記憶を取り戻した。
働き始めてまだ2年目の若手社畜として、前世のハーバートは自分の残存価値が資本家に搾取され尽くす前に、鋼材を満載した、百トンはゆうに超える大型トラックにひき潰され、ぺしゃんこになった紙人形のようになってしまった。
詳しく聞くな。
聞くと、トラック運転手も大変なんだよ。
聞くと、みんな、必死に生きているんだからな。
だが今ハーバートが恨んでいるのは前世の悲惨な運命ではない。
どうせ前世の彼は独り身で、誰にも看取られず、命日や節目の日には墓参りに行きたいと思っても、手を合わせる場所さえなく、この世に未練は何もなかった。
夢と体が粉々になった後、再生争いを勝ち抜いて、人として生まれ変わったのは、ハーバートの心の中ではむしろ得したと思っている。
彼の表情を微妙にしているのは、今置かれている状況だ——暗く冷たい監獄。
良い知らせは、彼が囚人ではなく、囚人を監視する監獄長だということだ。
悪い知らせは、この監獄が古い修道院に属しているということだ。
修道院……
これが元気盛りな十八歳の少年がいるべき場所だろうか？
しかしハーバートにとって、これはまだ最も致命的なことではない。
環境を変えれば、新しい道を見つけられる。どうしようもなければ逃げ出せばいいんだ。
世間知らずの愚かな大学生でもない、社会の洗礼を受けた彼には多くの手段がある。
ハーバートを本当に絶望させたのは、前世の記憶が戻る前日に起きた出来事だった。
昨日の正午、ハーバートは神霊の見守りのもとで自らの神聖なる誓いを立て、正式に修道院に受け入れられ、苦行派の聖騎士となった。
そして彼が自ら口にした誓いの名は——「純潔の誓い」
神霊の証人のもと、ハーバートは世の正義と秩序のために生涯を捧げ、弱者のために戦い、心の清らかさ、感情の純粋さ、肉体の貞操を永遠に保つことを誓った……
聞いてくれ！
これが人間の言うことか？
この誓いに対し、ハーバートは半ばショックを受けた後、心の中で叫んだ。
「クソ、これって魔法版の貞操帯じゃねーか！！？」
確かに前世のハーバートは24テラバイト分の人には見せられない動画ファイルを保存し、寝る間も惜しんで様々なゲームを楽しんだ……
だがそれを理由に今世は感情を抑え、欲望を断つ苦行する修道士にさせられるなんて、この罰は少し重すぎないか？
そこまで悪くないでしょ！
あのリソースを独り占めしたわけじゃない、タグを整理して共有したんだ。
俺一人だけを責め立てるのはおかしいだろう！
この貞操帯、みんなで一緒につけろ！
俺が逃げられないなら、お前らも逃げられない。
「……ちっ」
暗がりで淡い金色の光を放つ手の甲の聖痕を見つめ、ハーバートの心の不満はさらに膨らんだ。
他の人が寺の雑役院に行って僧侶になるならまだしも、女性と接触禁止とはいえ、出家を解く機会はある。努力すれば魔教の妖婦と結ばれて子供をもうけることだってできる。
しかしこの世界の聖騎士は違う。彼らは誓いを破れば本当に反動を受ける。
聖騎士たちの力はすべて立てた神聖なる誓いから来ており、誓いが重いほど、それを実行した後に得られる加護も強くなる。
狂気と絶望の最前線で抵抗する存在として、聖騎士たちは神霊に寵愛され、贅沢とも言える多くの加護を受けている。
大きな誓いを立てた一部の聖騎士たちは、巨竜と直接格闘できるほどの恐る力を手に入れることもある。
しかし、すべての物語で語られるように、奇跡と魔法は決して無料ではなく、運命からのすべての贈り物は密かに相応の代価を前払いしている。
与えられるものが多いほど、聖騎士が堕落し、誓いを破る時に受ける反動も深刻になる。
精神崩壊、肉体腐敗、魂の枯渇……これらは基本的なものに過ぎず、状況によって殺戮しか知らない深淵の怪物に変わることさえある。
ハーバートの現在の状況では、一度誓いを破れば、軽く見ても重傷で死にかけ、重ければその場で命を落とし、他人と次の復活戦を戦うことになる。
つまり、今のハーバートにとって——エッチは死に等しい。
ちっ！
正直に言って、ハーバートはこの状況は宦官よりも良いとは思えない。
宦官たちは少なくとも根本を断たれており、欲望があっても実行する能力がなく、完全に諦めるしかない。
しかし、自分はどうだ？
有るけれど使えない、力があっても使い道がない……正に拷問だ！
辛いな。
俺の人生は苦しいよ！
ハーバートは深く息を吸い、頭を上げてゆっくりと吐き出し、唇は声に出さずに動いた。
うおおおっっあああーー
仕方なく怒りを発散した後、落ち着いたハーバートはなんとか現状を受け入れ、目を細めて次の対応を考え始めた。
「破るに決まってるだろ！こんなの、一生破らずにいられるわけないのさ……だが、まずは我慢しよう、焦る必要はない」
ハーバートは強要されるのは不愉快だったが、それですぐ理性を失うような大の女好きというわけでもない。だから、取り乱すほどではなかった。
修道院から逃げ出そうとも思わなかった。
それどころか、彼はここに残って修行を続ける準備をしている。
実際、ハーバートは自ら進んで霧の修道院に来たわけではなく、「贖罪」の名のもとに修道院に追いやられたのだった。
ハーバートの出身であるアルバート家は霜晶王国の建国功臣で、代々公爵を世襲し、常に王家と良好な関係を保ち、両家はしばしば婚姻関係を結んでいた。
兄弟の中で最も才能に恵まれた次男として、ハーバートは幼なじみであるフィリア姫と個人的に親しく、何でも話せる親友と言えるほどだった。
多くの人々は彼らが将来、女王と親王になると考えており、ハーバートはこれに好き嫌いを持っていなかったが、それが起こる可能性が高いことを暗黙のうちに認めていた。
だからこそ、その日フィリアの侍女が彼女に代わってハーバートに個人的な会合を求めてきた時、彼は何の疑いも持たずについていったのだ。
その後、ハーバートがフィリアの私室に到着すると、そこで待ち構えていた王国近衛軍に「姫に対する貞操汚辱未遂の罪」という荒唐無稽な罪で牢に入れられた。
ハーバートは説明しようとし、何か誤解があったと思ったが、誰にも聞き入れられなかった。
もう一人の当事者であるフィリアは最初から最後まで姿を現さず、ハーバートへのあらゆる非難や罵りを黙認した。
最終的に、心が折れたハーバートは自分を弁護するのをやめ、修道院への追放という罰則を受け入れた。
彼はここに来た後、積極的に教会に身を投じ、純潔の誓いを立てることで自分の無実を証明しようとした。
まさに古典的悲劇の、死をもって自分の潔白を証明する主人公だ。
悲惨か？
悲惨だ。
同情すべきか？
少し、でもほんの少しだけだ。
今世の自分に対して、ハーバートは同情よりも嫌悪感を抱いている。
貴族の子息として、彼のふるまいはあまりにも愚かだった。
単純すぎる。あまりにも単純だった！
お人好しの無邪気な少年は陰謀や策略の裏に潜む複雑さを見抜けず、他人を疑うことすらしなかった。
これが他者による意図的な陰謀だと気づかず、美しい誤解だと思い込んでいたなんて。
だが今のハーバートは振り返ってみれば、この茶番劇に満ちた違和感を簡単に察知できる。
なあ、これって冤罪じゃないか？
なんか大げさなことが起きたかと思ったのに。
結局、ただのハニートラップじゃないか！
なんて新鮮なことだ！
ハーバートはこの仕業についてはあまりにも詳しすぎる……
誤解しないでくれ、彼にはハニートラップに引っかかった友達がたくさんいただけだ。
本当に。
なぜなら彼はかつて優秀な訴訟ゴロ……いや、法律家だったからだ。
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