Kapitel 12: 第12章

その日、篠原智也はすべての仕事をキャンセルした。オーロラを見に行き、私の写真も持って行った。

しかし何の意味があるのだろう。私がいた時には男は何度も断り続け、私がいなくなった今になって深い愛を装っている。

私は早く離れたいと切望した。あの男の態度を見ていると吐き気がする。

「莉奈、オーロラを見せに連れてきたよ」

かつて憧れていたものも今では悟りを開いたかのよう。私はただ自分と江川美咲が智也の心の中でどんな位置にいるのか知りたかっただけだ。

篠原智也は常に愛していたのは私だと言っていたが、数えきれない夜を美咲と共に過ごしていた。

私は苦々しく微笑んだ。数年の青春を無駄にしてしまった。

オーロラから戻ってきた後、私の魂は少しずつ消えていく兆候を見せ始めた。

そして智也は、まるで私が見えるかのように、いつも私に懺悔していた。

彼は私がかつて行きたいと言った場所を案内し、私が彼にプレゼントしたブレスレットを手首にしっかりと身につけ、彼のすべてに私の痕跡があった。

「林莉奈、後悔している」

深夜になるたび、男は跪き、私のいる方向に向かって小声で謝罪した。

私が一番後悔しているのは、傷つけられた無実の子供のことだ。

「篠原智也、私の子供を返して」

彼は永遠に知ることはないだろう。あの夜、私が涙を流し尽くしたこと、絶望的に何度も電話をかけても通じなかったことを。

智也はまるで冷血な動物のようで、残酷にも傷口をえぐるのだった。

「莉奈、その姿は誰が死んだとでも言うのか？」

私はずっと彼が知っていると思っていた。美咲の行為は彼の黙認のもとだと思っていた。

私の葬式は盛大だった。見送りに来た人は少なくなかった。私と智也の関係は表に出された。

そして彼は私の両親に止められた。母はすでに怒りで言葉も出ず、警備員に指示して彼を追い出させた。

私は智也が前で跪いて懇願している姿を見ていた。最後に一目私に会わせてほしいと。

最終的には長谷川誠が智也の襟首をつかんで外に投げ出した。

私が完全に去る日、智也はずっとベッドの側に座っていた。

寝室は暗く、彼に見られていると不快だった。

「莉奈、やっと会いに来てくれたんだね」

私は分かっていた。彼には私が見えていたのだ。

私は何も言わなかった。智也は苦笑いして謝り続けた。「ごめん、ごめんなさい」