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両親の顔から笑みが崩れ去った。
たった今まで、自分が死んでも両親に危害が及ばないようにすると言っていた木村哲也は、表情一つ変えずに一歩後ろに下がり、彼らとの距離を取った。
父親は顔色が真っ青になり、無意識に額の冷や汗を拭った。
「上官、何か間違いではないでしょうか...誘拐犯はすべて排除されたはずですが...」
上官は顔を曇らせて言った。「私が何を言っているか、あなたにはわかっているはずだ!」
母親も慌てて、口から言葉が止まらなかった。「そんなはずないわ、どこか勘違いがあるに違いないわ...」
彼らの慌てぶりは、まさに「此地無銀三百両」そのものだった。
「本当に棺桶を見るまで信じないつもりか!」
上官は我慢の限界に達し、動画を取り出して両親の目の前に映した。
小さな男の子の悲痛な叫びと怒りに満ちた問いかけが、すべての特殊部隊員の耳に届いた。
全員が赤い目で両親を睨みつけていた。もし規律がなければ、正義感あふれるこれらの男たちは飛びかかって、この偽善的な特殊部隊長を生きたまま殴り殺していただろう。
父親は動画を見た最初の一秒で、膝から力が抜けた。
上官が動画を彼の目の前に突きつけると、彼は目を閉じて避けるだけで、一目見ることさえできなかった。
それは同情でもなく、後悔でもなく、ただ自分の命が風前の灯だと知っての臆病さに過ぎなかった。
正義と勇気を象徴するはずのその制服が、彼の身に着けられているのは皮肉以外の何物でもなかった。
母親はよろめきながら一歩後退し、突然狂ったように父親を叩き始めた。
「さっきまであなた、みんな死んでこの件は終わったって言ったじゃない?」
「なぜネットに流出したの?あなたはこんなに長く事件を扱ってきて、こんな大きなミスを犯すなんて、本当に無能ね!」
「私は昔、花形警官だったのに、なぜこんな役立たずと結婚してしまったの?今じゃ巻き込まれるなんて!」
母親は制服を着ていたが、もはや背筋を伸ばす気概はなかった。
彼女は突然何かを思いついたように、前に飛び出して上官の腕をきつく掴んだ。
「上官!私は家族として、木村正樹を率先して告発します!私が人証です!」