田中彰は地面から杖を拾い上げた。
【木の杖】
【位階:普通】
【効果:精神+2】
杖の属性を見て、田中は眉を上げた。最も低ランクの普通装備だった。
得られた情報によると、万界ゲームの装備位階は普通、黒鉄、青銅、白銀、黃金、暗金、叙事詩、伝説、神話の九段階に分かれているという。
「普通装備は加算される属性が少なすぎる。精神はたった2ポイントしか増えない」
手の中の木の杖を持ち上げて、田中は少し不満げだった。
結局、彼の現在の属性から見れば、精神2ポイントの増加は少なすぎるのだ。
しかし、ないよりはましだった。
手で冥火を放つよりはずっといい。
この木の杖を持って、田中は周囲の骸骨エリートたちに指示し、引き続き周辺の鉄山坤を一掃させた。
骸骨エリートたちは戦闘において全く疲れを知らず、体力制限もなく、モンスター狩りの最高の助っ人だった。
11体の骸骨エリートが前線にいれば、田中は冥火を放つ必要すらなかった。
これらの骸骨エリートに頼れば、周囲の魔物たちを一掃できるのだ。
田中はさらに一体の骸骨エリートに地面の装備を拾わせ、自分は全く動く必要がなかった。
誰が骸骨は弱いと言ったのか?
この骸骨たちは強すぎるじゃないか?
亡霊法師が弱いって?亡霊君主の自分には関係ない。
すぐに、前方の骸骨エリートがまた一体の鉄山坤を斬殺すると、田中の体から再度レベルアップの光が輝いた。
また上がった!
【プレイヤーのレベルアップを祝福します。大道の項目天賦が起動し、ランダム項目の抽出を開始します】
心地よい声が再び響き、田中はまた期待に胸を膨らませた。
【ピンポーン〜三つの項目抽出完了。プレイヤーは速やかに一つを選択しバインドしてください】
【項目:白色装備(白)、青い妖姬(白)、召喚物加深(緑)】
相変わらず二白一緑、これが通常の抽選確率のようだ。
田中は急いで三つの項目効果を確認した。
【白色装備(白)】:ランダムで一つの普通装備を獲得。獲得装備は必ず白色となります。
【青い妖姬(白)】:青い妖姬装備一式を獲得。この装備は精神属性に1ポイント追加。
【召喚物加深(緑)】:特定の召喚物一体を指定し、強化して一つ等階を上昇させる。
白色装備はあまり役に立たず、青い妖姬装備が精神属性を1ポイント増やせるのは悪くないが、緑の項目「召喚物加深」には到底及ばなかった。
以前の赤色項目「職業加深」の強力さが田中の脳裏に深く刻まれていたからだ。
召喚物を一つ等階上昇させられるなら、当然この項目を選ぶべきだ。
一つの召喚物しか強化できなくても、十分素晴らしい効果だった。
この緑色の項目を選択すると、田中はすぐに召喚物を一体強化できる効果を得た。
田中が確認すると、この強化効果は24時間の持続時間があった。
つまり、この24時間以内に召喚物を選んで強化すれば良いということだった。
「こうなると、急ぐ必要はないな」
田中の現在の召喚物は骸骨エリートだけだが、骸骨兵よりはずっと強いとはいえ、上位の召喚物というわけでもない。
田中はもう少しレベルを上げて、より高位の召喚物を召喚できるか確認してから使うつもりだった。
その方が最良の選択だ。
その後、田中は自分の属性を確認した。
【属性パネル】
【プレイヤー:田中彰】
【等級:3(0.19%)】
【職業:亡霊君主】
【力:26】
【体質:26】
【敏捷性:26】
【精神:49】
【自由属性点:10】(レベルアップごとに5点の自由属性点を獲得。亡霊君主への昇格により、レベルアップごとに10点の自由属性点を獲得)
【技能ポイント:3】
迷うことなく、田中はレベルアップで得た10点の自由属性点をすべて精神に振り分けた。
振り切れ!
振り切れ!
田中の精神属性はいきなり59に達した。
これはレベル3のプレイヤーとしては驚異的な数値だった。
技能ポイントについては、田中はまだ使わなかった。
技能ポイントは技能等級を上げるもので、かなり重要だ。
田中は今後どんな技能を獲得できるか見極めてから強化する予定だった。
レベル10まで技能等級の強化を待った方が良いだろう。後で良い技能が出てきたのに強化できないという事態を避けるためだ。
そして、田中は自分の冥界空間を確認した。
【冥界空間】
【天賦技能、無段階、無等級】
【効果:亡霊君主として、あなたは冥界空間を所有しています。あなたの亡霊を配置でき、冥界空間内の亡霊はゆっくりと傷を回復します】
【現在の冥界空間容量:0/12】(レベル上昇で容量増加)
冥界空間を獲得してから二回レベルアップし、冥界空間の容量は二つ増えていた。
これも田中にとっては良い進展だった。
「いつか冥界空間の容量を増やせる項目が出たらいいのに」
田中はそんな空想をしながら、再びモンスター狩りとレベル上げを続けた。
この時点で、田中はすでに大多数のプレイヤーと同じレベルに追いついていた。
もちろん、最初からスタートダッシュの良かったプレイヤーたちは、まだ田中より少し高いレベルだった。
しかし田中は、一日もかからずに追いつき、さらに追い抜けると確信していた。
さらに30分ほど経つと、田中の体から再び光が上がった。
また上がった!
レベルが4に到達した!
「今レベル4に達しているプレイヤーはそう多くないだろう。レベル5のプレイヤーがいるかどうかも分からないが」
レベルアップはだんだん遅くなり、進むにつれて必要な経験値は増えていく。
今や田中は、ほとんどのプレイヤーのレベル進行を超えていた。
【プレイヤーのレベルアップを祝福します。大道の項目天賦が起動し、ランダム項目の抽出を開始します】
田中は新しい項目に期待を寄せた。
そのとき、突然一筋の光が遠くの地面から立ち上り、空高く伸びていった。
「ゴーン!」
この光とともに、機械的な声がすべてのプレイヤーの頭の中に響いた。
【プレイヤー山崎香織が全プレイヤー対象の暗金隠し任務を発動しました!】
【プレイヤー山崎香織が全プレイヤー対象の暗金隠し任務を発動しました!】
【プレイヤー山崎香織が全プレイヤー対象の暗金隠し任務を発動しました!】
まるで全体アナウンスのように、この声はすべてのプレイヤーの頭の中で三回響いた。
その後、暗金色の仮想紙がすべてのプレイヤーの前にゆっくりと広がった。
【暗金隠し任務】
【位階:暗金】
【任務説明:各自の初心者の村の初心者ダンジョンをクリアしてください。クリアしたダンジョンの等階と時間に応じて、相応の極上報酬が獲得できます。最高で暗金級報酬を獲得可能】
【任務受諾カウントダウン:10分】
【注:この任務はプレイヤーの特別発動により全プレイヤーに配信されています。受諾するかどうかは自由に選択でき、受諾しなくてもペナルティはありません】
【注:この任務は初の全プレイヤー対象任務のため、報酬が増額されます。1位のプレイヤーは暗金級を超える報酬を獲得する可能性があります!】