Kabanata 13: 013：内心崩壊した陳伯
矜天は楼閣に入った。中にいた侍女は陳伯を見るとすぐに腰を折って敬礼した。
「陳執事。」
陳伯は頷きながら言った。「こちらは丞相府の二小姐で、ご主人と奥様の実の娘です。」
数名の侍女は少し驚き、矜天を一瞥したが、みな彼女の絶世の美貌に魅了されて呆然としてしまった。
一階には四つの部屋があり、全て中央から繋がっていて、カーテンや屏風だけで仕切られており、とても広々としていた。
矜天は一周りした後、声を上げた。「一階は食堂、応接間、台所として使いましょう。」
外の草花まで交換することに同意したのだから、この楼閣の配置なんてなおさらのこと、陳伯は当然頷いて了承した。
矜天は二階に上がった。この層には二つの大きな部屋があり、見たところ、これらも繋げられていて、四つから二つに変えられたものだった。
本や寝台、碁盤、琴などが置かれており、全て娯楽用として使われていた。
「二階は全部繋げて、書斎にしましょう。」
「……」陳伯は承諾した。「はい。」
三階に上がると、矜天は廊下に立ち、遠くを眺めた。左側からは丞相府の配置が一望でき、右側からは府の外のある通りがかすかに見え、とても賑やかそうだった。
「あの通りは何ですか？」
陳伯は矜天の視線の先を見て言った。「雙月通りです。あれは皇宮に入る必須の道です。」
「いいですね」矜天は満足そうに微笑み、部屋へと足を運んだ。
三階の部屋は繋がっておらず、四つの部屋はすべて完全に独立していた。
矜天は一番奥の部屋で立ち止まった。陳伯が彼女の要望を聞き、部屋の配置を変える準備をしていると、彼女は言った。
「私はこの部屋に住みます。他の三部屋も寝室として設えておいてください、使い道があります。」
陳伯は少し驚いた。矜天が窓辺に行くと、遠くの雙月通りと皇城最大の娯楽場所である碧天朝海がより鮮明に見えた。
心中で考えが巡った。
彼は二小姐の一見何気ない改装の要求に、何か深い意図が隠されているように感じた。
しかし彼には、それが何なのか理解できなかった。
世界が変わろうとも、一からやり直そうとも、大物は常に大物のままだ。
矜天は怖がる必要などないので、彼女はもはや何かを偽装するつもりはなかった。
数え切れないほどの疑念を招いたとしても、何になるというのか？
彼女には面倒を解決する方法があるのだから。
矜天は黙考している陳伯に向き直った。「私は暗い色の服が好きです。何でも鮮やかで濃い色、生命力に溢れたものが好みです。」
「私が戻ってくるまでに、ここが私の好みに合わせて準備されていることを願っています。」
そう言って、陳伯が反応する前に、矜天は何か思い出したかのように、また言った。
「そういえば、門番の凶獸はどこで買えるか知ってる？」
陳伯は驚いた。「二小姐、なぜそのようなことをお尋ねになるのですか？」
矜天は唇の端を上げた。「二匹買って門番にしたいの、猫や犬がうろついて邪魔するのを防ぐためよ。」
「……」陳伯はわなわな震え、平静で厳かな顔つきが、崩れそうになった。
激しく揺れ動く感情を一瞬落ち着かせてから、ようやく諌める言葉を口にした。「二小姐、凶獸は非常に危険です。府にそれを置くのは危険すぎます。代わりに凶暴な犬を二匹見つけましょうか？」
「凶暴な犬が門番になれるの？」矜天はぞんざいに眉を上げた。「この武術が当たり前の時代では、七、八歳の子供でも一撃で二匹殺せるわよ。私が何も分からないと思ってる？」
陳伯：「……」
なんてことを言うんだ、何も分からないだって！
矜天は既にキャラ崩壊の兆しを見せている老人を見て、可笑しそうに手を振った。
「いいわ、凶獸を買える場所を教えて。自分で見てくるから。」
陳伯はもう少し抵抗しようとしたが、矜天の鋭い視線が彼に向けられ、「言わないなら私は丞相府を出ていく」という態度を見せられ、ついに力なく教えた。
矜天は陳伯に侍女を一人呼んでもらい道案内させ、悠々と横門から丞相府を出た。
出るとき、傅易邢の姿は見えなかったが、矜天は驚かなかった。
彼女は傅易邢が簡単にごまかされないことを予測していたからこそ、慌てず焦らず、自分の中庭の準備を済ませてから出てきたのだった。
この時点で、約束の時間から既に半時刻が過ぎていた。
矜天が門の前でしばらく立っていると、一人の青い服を着た人影が横門から現れるのが見え、彼女の唇の端がゆっくりと上がった。
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