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46.15% 二十年の愛を結婚式で断ち切る / Chapter 12: 第12話:新しい始まり

Chapitre 12: 第12話:新しい始まり

第12話:新しい始まり

[雪音の視点]

二時間のフライトを終えて、私は皇都の空港に降り立った。

搭乗ゲートから出ると、人の波に押し流されそうになる。皇都は故郷とは比べ物にならないほど大きな街だった。

スマートフォンを確認すると、先輩からメッセージが届いている。

『迎えが来てるから、到着ロビーで待ってて』

でも、到着ロビーを見回しても、それらしい人は見当たらない。

名前を書いたプラカードを持った人もいるけれど、私の名前はない。

少し不安になって、もう一度メッセージを確認しようとした時だった。

「先輩」

背後から声をかけられて、振り返る。

そこには、明るい笑顔を浮かべた男の子が立っていた。背は高くて、人懐っこそうな顔をしている。

でも、誰だろう?

「えっと......」

私が困惑していると、彼は少し寂しそうな表情を見せた。

「先輩、たった五年で僕のことを忘れちゃったのか?」

五年?

その言葉をきっかけに、記憶の扉が開いた。

「もしかして......陽向(ひなた)?」

「そう!陽向光輝(こうき)だよ」

彼は嬉しそうに笑った。

「やっと思い出してくれた」

大学時代の後輩だった。確か、研究室の飲み会でよく話していた。いつも元気で、周りを明るくしてくれる子だった。

でも、こんなに背が高かったっけ?

「光輝......随分大きくなったのね」

「五年も経てば、そりゃ変わるよ」

光輝は自然に私のスーツケースを取った。

「荷物、持つよ。先生が待ちきれないほど君を待ってるんだから」

その気さくな態度に、私は少し戸惑った。

冬夜のような冷静で控えめなタイプと長くいたせいで、こんなに積極的な人とどう接すればいいのか分からない。

「ありがとう......でも、自分で持てるから」

「遠慮しないで」

光輝は私の手首を軽く掴んで、駐車場の方向へ歩き始めた。

「早く行こう、先輩。先生は待ちきれないほど君を待ってるんだよ」

彼の手の温かさが、手首に伝わってくる。

なんだか、心臓の鼓動が少し早くなった。

車での移動中、光輝は運転しながら色々な話をしてくれた。研究室の近況や、皇都での生活のこと。

私はほとんど相槌を打つだけだったけれど、彼の明るい声を聞いていると、不思議と心が軽くなった。

そして、ついに研究室の建物に到着した。


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