Télécharger l’application
50% 欲望のレクイエム:シン・シティ / Chapter 2: REQUIEM 2:九人の守護隊長たち

Chapitre 2: REQUIEM 2:九人の守護隊長たち

ついに、無数の兵士、数名の守護隊見習い、そして数人の狩人守護官を無力化した末、

デヴィウスはヒナタ=ソウルを囲む外壁――村の最外郭へと辿り着いた。

浄化しようと願い、しかし遂に裏切られた村へ向ける郷愁も悔恨もなく、

元・第六代ロードであるデヴィウス・ヴェノマニアはその巨大な壁を越え、

森の闇へと沈み込んだ。

両手に握られた“姉妹=武器”は微かな脈動を放ち、

新たな居場所への道は、裏切りではなく、自ら選び取った追放の一歩で始まった。

森を包む闇は完全だったが、デヴィウスの目には昼のように鮮明だった。

彼の魔性の眼は、暗闇に順応するだけでなく、生き物のオーラすら映し出し、

森の獣たちとの不要な遭遇を避けることを可能にしていた。

木々が密集する中、夜風だけが彼の肌を撫で、

葉擦れの音と遠くの狼の遠吠えを運んでいく。

だが――風が運んできたのは、それだけではなかった。

霊力を察知するより早く、

デヴィウスの鼻は三つの馴染み深い香りを捉えていた。

菊と刃の匂い――ツバキ。

冷たい薬品の匂い――スラヴィ。

薬草の仄かな香り――オハナツリ。

暗がりから九つの影が音もなく現れ、

彼の前に円陣を組むように立ちはだかった。

逃げ道は完全に塞がれた。

彼らは守護隊の頂点――九人の隊長たち。

デヴィウス自身が、権力の集中を避け、村の安全を多角化するために創設した精鋭。

崩壊寸前の異世界から召喚され、それぞれ異なる才能を持つ九人の戦士たち。

そして今、自由への道を阻む九つの壁となっていた。

ツバキ・リュウファン、第2部隊隊長が一歩前へ。

月光を受けた金髪が鋭く輝き、その表情は押し殺した怒気で張り詰めていた。

「ヴェノマニア。

かつてあなたが担っていた地位に敬意を払い、最後の機会を与えます。

武器を捨て、共に戻り、評議会の裁きを受けなさい。」

デヴィウスは冷たく笑った。その笑みは瞳に一切届かなかった。

「ツバキ。相変わらず規律に忠実だな。

だが……本当に、お前たち九人で私を止められると思っているのか?」

「試してみる価値は十分にありますわ。」

穏やかな声が闇に滑り込んだ。

巨大なポニーテールを揺らす白人女性――オハナツリ、第10部隊隊長が

ゆっくりとReikenを抜いた。

微笑みは優しげだが、その奥に潜む殺意は武器そのものより鋭い。

「一度、あなたと手合わせしてみたかったのですよ、元・第六代ロード。」

「良いだろう、オハナツリ殿。」

デヴィウスは肩を竦めるように笑った。

「ただし一つだけ。――今の私はReikenを使うつもりはない。」

「Yūgen:レオパード!」

褐色の肌にトライバルペイントを施した少女、

第8部隊隊長イーグル・ライオンハートが咆哮とともに突撃した。

手足はしなやかな豹の四肢へと変貌し、

圧倒的な速度でデヴィウスの急所を狙う。

デヴィウスは微動だにしない。

「――姉妹、抑制モード。傷は残すな。」

二丁の銃が共鳴するように唸りを上げた。

ZAAAP!!

紫電が弧を描き、

イーグルの肩を撃ち、軌道を逸らせた。

彼女は回転しながら木へ叩きつけられたが、意識はある。

「Jeange!!」

幼い声とともに、大型の女性の拳の形をした霊的な打撃が地面を砕く。

だがデヴィウスは軽やかに跳躍し、

空中で黒の銃――カトリーヌの弾丸を地面へ撃ち込んだ。

衝撃波がメダカ隊長の攻撃を相殺し、吹き飛ばした。

「中々だな、メダカ隊長。」

「目覚めろ、カリ!」

オハナツリが動き、Reikenは細長い大鎌へと変化する。

デヴィウスは刃を紙一重で避け、カウンターの蹴りを放つ。

受け止めた柄ごと彼女の身体が後方へ弾かれ、木へと叩きつけられた。

「サブリナ、今よ!」

ツバキが命じる。

青髪ショートの女性――第5部隊隊長サブリナが両手を構えた。

「サイキック!!」

見えない衝撃がデヴィウスの精神へ叩きつけられ、

一瞬だけ集中が揺らぐ。

その刹那、ツバキが背後へ瞬歩し、Reiken:牙を

脊髄へ突きつけ――。

だがデヴィウスは千年を生きる存在。

精神抵抗は桁違い。

たった一瞬で正気へ戻ると、

カトリーヌが後ろへ撃ち、ツバキを強制的に後退させた。

左右からモトコ(第6部隊)とトモエ(第9部隊)が

刃の網を織り成すように襲いかかる。

「カトリーヌ、散弾パターン。」

赤の銃が小規模範囲制圧射撃を放ち、

二人を防御姿勢へ押し戻す。

上空からはBB(第7部隊)が急降下し、

光を放つReikenで足を狙う。

だがデヴィウスは身体を捻り回避。

黒の銃で刃を受け止めた。

「Jeange!!」

再び巨大な腕が現れ、

同時にスラヴィ(第4部隊)がReikenを掲げる。

「Yuugen:キノロチ!」

刃は紫煙となり、

意志を持つ蛇のようにデヴィウスへ襲いかかる。

デヴィウスはため息をついた。

これ以上続けば、彼女たちが傷つくだけ。

仲間であり、弟子であり、家族のような存在――

本気で戦いたくはなかった。

「――第二円環、解放。」

紫光が瞳に灯り、

二つの円環が浮かび上がる。

黒い霊角が額に伸び、

力・速度・霊圧・反応すべてが数十倍へと跳ね上がった。

影がうねり、

メダカたち九人とスラヴィの煙を一瞬で絡め取り、

全員を一点へ束ねた。

「――姉妹。全力照射。」

二丁の銃が紫黒の輝きを放つ。

「法の極点射:完全無効化(アヌリケイション)!!」

「離れなさい!!」

オハナツリが叫ぶが――遅すぎた。

天へ撃たれた巨大な光弾が途中で炸裂し、

無数の霊的糸となって降り注ぐ。

それらは九人それぞれの弱点、霊核、神経端子を正確に捉え――

一人、また一人と崩れ落ちた。

ツバキは膝から沈み、

オハナツリは苦笑を浮かべながら倒れ、

メダカとスラヴィは意識を失い、

BBは過負荷で光を失い停止し、

モトコとトモエは木々へ弾き飛ばされて昏倒した。

月光の下、

九人の隊長たちは皆、無傷のまま、完全に行動不能。

デヴィウスは深い息を吐き、

角を霧散させ、通常の姿へ戻った。

ツバキの前で足を止める。

彼女は震える視線だけで彼を見上げていた。

「その忠誠は賞賛に値する、第二部隊隊長。」

静かに告げた。

「だが――向ける先を誤っている。

ヒナタ=ソウルを守れ。

真の敵から。

私はもう、その盾ではない。」

そして、ただ背を向けた。

デヴィウス・ヴェノマニア。

元・第六代ロード。

かつての守護者であり、今では追われる者。

彼は森の闇へと消えた。

“姉妹=銃”の残響だけが、

倒れた九人の耳にいつまでも残っていた。

――殺さなかった。

――殺せたのに、殺さなかった。

それこそが、彼の力の証明であり。

そして、かつて彼女たちを守った“優しさ”の証明だった。

あの夜――月と星々が見つめる中、

愛した者たちを倒した罪と、

村への最後の絆を断ち切った痛みを抱えながら、

デヴィウスは歩みを進めた。

© D.S.V. — 絹をまとう罪、ネオンに血を流す魂

無断転載禁止


L’AVIS DES CRÉATEURS
RequiemofLust RequiemofLust

作者コメント:

この物語は、光と闇、罪と赦しが交差する「歪んだ祈りのレクイエム」です。

もしあなたが、静かな狂気や、深い情念に満ちた世界を求めているなら——

この作品が、あなたの心に長く残る “棘” になりますように。

読んでくださって、本当にありがとうございます。

next chapter
Load failed, please RETRY

État de l’alimentation hebdomadaire

Rank -- Classement Power Stone
Stone -- Power stone

Chapitres de déverrouillage par lots

Table des matières

Options d'affichage

Arrière-plan

Police

Taille

Commentaires sur les chapitres

Écrire un avis État de lecture: C2
Échec de la publication. Veuillez réessayer
  • Qualité de l’écriture
  • Stabilité des mises à jour
  • Développement de l’histoire
  • Conception des personnages
  • Contexte du monde

Le score total 0.0

Avis posté avec succès ! Lire plus d’avis
Votez avec Power Stone
Rank NO.-- Classement de puissance
Stone -- Pierre de Pouvoir
signaler du contenu inapproprié
Astuce d’erreur

Signaler un abus

Commentaires de paragraphe

Connectez-vous