Bab 6: 第6章

有給休暇は、もらえるものはもらっておこう。

私はゆっくり起きて、エステに行こうと思っていた。

でも、朝ごはんも食べ終わらないうちに、木村秘書から電話がかかってきて、警察署に保釈に来てほしいと言われた。

時間を計算してみると、外出してから一時間も経たないうちに、河村隆一は自分で警察のお世話になってしまったわけだ。

私はもちろん行きたくなかったけど、向こうはもごもごと言い訳ばかり。そばにいる誰かさんに圧力をかけられているのが丸分かり。

現場に着いて息も整わないうちに、腕に抱きつかれた。

「奥さん、助けて！当て逃げの被害に遭ったんだ！」

190センチ近い大男が、みんなの前で私の腕に抱きついて、首筋に顔を埋めて甘えてきた。

警察官も彼の代わりに恥ずかしくなったようで、咳払いを二回してから口を開いた。

「状況は大体把握しました。旦那様をお連れ帰りください。」

私は一秒でも長居したくなくて、彼を引っ張って外に向かったけど、後ろの数人の噂話が耳に入ってきた。

「まったく、調書を取るだけなのに、帰ろうともしないで、わざわざ電話して迎えを呼ぶなんて。精神的に問題があるんじゃないか！」

私は頬が熱くなった。完全に赤面してしまった。警察署の玄関を出るなり、彼を蹴り飛ばした。

車の中で、私は手当たり次第、手の届くものを全部彼に投げつけた。

河村隆一は得意げな顔で機嫌を取ろうとし、私の袖を引っ張って、まるで膏薬のように離れようとしない。

「ありがとう、奥さん。僕の奥さんは最高だよ。」

「その面の皮の厚さは控えめにしなさい。木村秘書は？一体何があったの？」