Bab 10: 第3章 炎の書_2
以前の門の前の燼の動作は、クエスト発動のテクニックだった。六回の爆発はダニエル師が実験に失敗したことを意味し、それによって彼は実験から抜け出すことができる。門の外の音を聞いて、同時に「魔法杖を届けに来ました」と言わなければ、この魔法狂人は相手にしないのだ。
このクエストの報酬は、一段階ランクアップし、追加のスキルを獲得して生まれ変わった高品質な魔法杖だ。これはプレイヤーが持ってきた六本の杖の一つから作られたものだが、燼が今回来た目的はそれではなかった。
爆発の達人ダニエルが魔力爆発装置を製作している間は、全身全霊で没頭している。約一分三十秒の間、彼は実験室から出てこないため、誰かが彼の家で何かをしていることに気づくはずがない。燼がその時間内に終わらせれば良いのだ。
例えば……
燼はすぐに部屋中を探し始めた。音を立てないように慎重に動きながら、物が隠されていそうな場所をすべて素早く開け、記憶の中にあるあの品物を探した。
一分以内に部屋中を徹底的に探し回り、隠し場所になりそうな隅々、引き出しをすべて調べたが、眉を寄せてしまった。前世の記憶にあるはずの物が全く見つからなかったからだ。空振りだったのか？
「おお、火焔神よ！私ダニエルはついに成功した。はははは、ついに成功したぞ！」
突然、狂った笑い声が響いてきた。ダニエルが最初の魔力爆発装置の製作に成功した合図だ。彼はこの後も勢いに乗って次の装置を作り続けるだろう。
時間が逼迫してきた。爆発の達人ダニエルがすべての魔力爆発装置を完成させてしまえば、燼はもう探し回ることができない。見つかれば監獄送りになるだろう。再び魔法杖を買って戻ってくるには先にお金を稼がなければならず、燼はそんな時間を無駄にしたくなかった。
しかし、もう一度注意深く確認しても、目的の品は見つからない。眉間にしわを寄せた。
「ガン！」
大きな金属音が鳴り響いた。ダニエルが鉄槌を後ろの雑多な物の山に投げ込んだのだ。
燼の脳裏に閃きが走った。榮耀の剣のNPCたちは基本的に自我を持っており、部屋の片付けもする。後世で自分が見た多くの画像や動画を思い返せば、確かに現在の配置とは違っていた。
後に目立つ場所に置かれるものが、今は必ずしもその場所にあるとは限らない。通常の場所にすらないかもしれない。別の角を探すべきだろう。
それに気づいた燼は、床の下や棚の下を探し始めた。案の定、ダニエルの作業台の下に探していたものを見つけた。発見した燼は苦笑いするしかなかった！
なんと彼は、燼がゲームに入ってから執着していたものをテーブルの脚の下に敷いていたのだ！
それは真ん中から裂かれ、半分だけになった分厚い羊皮紙の本だった。中には複雑で細かいエルフ文字がびっしりと書かれていた。燼は今エルフ語のスキルを持っていないため、これらの文字は読めない。燼はそれを机の下から取り出し、素早く目立たないようにバックパックに詰め込み、何事もなかったかのように平然とした表情を装った。
「システム通知：あなたは[炎の書（ブロンズ級）]を獲得しました。」
物をバックパックに入れると、燼の心も落ち着いた。結局、予想通り手に入れることができた。これで燼の今後の計画はより順調に進められるだろう。
ほぼ同時に、一分三十秒の制限時間が過ぎた。爆発の達人ダニエルは、煙をもくもくと上げる六本の漆黒の魔法杖を抱えて実験室から出てきた。顔には炭のような黒い斑点が付いていたが、ゴブリンのNPCは非常に興奮していた。
「君の助けのおかげで、最後の一歩を突破できた。魔導師よ、君の名前は？」ダニエルは丁寧かつ熱心に尋ねた。
「燼です、燼と申します」燼は急いで答えた。
「燼殿、お礼として、この六本の魔法杖の一つを差し上げよう。私の最新発明の魔力爆発装置を取り付けたものだ。魔力を注ぎ込むだけで、それは——ドカン！」ダニエルは興奮して言いながら、黒煙を上げる魔法杖の一つを燼に手渡した。
燼は、焼け焦げた火かき棒のように見えるこの漆黒の杖を少しも嫌がることなく、すぐに受け取り、手に取って注意深く調べた。
「システム通知：あなたは[爆破の杖（シルバー級）]を獲得しました。」
「システム通知：クエスト『魔力爆発装置』を完了し、經驗値400を獲得しました。」
Lv0からLv1に上がるのに必要な經驗値は1000で、400ポイントの經驗値により燼の經驗バーは一気に増加した。通常、プレイヤーが単独でLv1のモンスターを一体倒しても4、5ポイントの經驗値しか得られないことを考えると、燼はこれだけで他の人の半日分の努力に匹敵する成果を得たことになる。
「燼殿、私のためにいくつか仕事をしてくれないだろうか。炎ネズミの毛皮は私の実験に不可欠なのだが、先ほど使い切ってしまった。三十枚の炎ネズミの毛皮を集めてもらえないだろうか？もちろん、満足のいく報酬を用意している」とダニエルは言った。
「システム通知：クエスト『炎ネズミの毛皮』を受けますか？」
受けます！
「喜んでお引き受けします」燼は答えた。
燼はもちろん迷わずにクエストを受けた。この隠しクエストはここで終わりではなかった。次のステップは炎ネズミの毛皮を集めることだ。このタスクこそが隠しクエストの真の難所だった。収集クエストではあるが、この炎ネズミの毛皮はクエストアイテムに分類される。
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