Bab 5: 5

彼が夜更かししないから、私と年越しを一緒に過ごしたくないと言ったことを思い出し、私の心はさらに冷えていった。

水を汲みに行くこともなく、そのまま部屋に戻った。

最後の一日は、本来なら婚姻届を出す予定だった日だ。

私が部屋から出た時、彼はすでに姿を消していた。

一言の説明も、一通のメッセージもなかった。

習慣的に伊藤麻衣の友達の投稿を開くと、案の定、彼女が入院して点滴を受けている様子が投稿されていた。

【いつになったら自分の面倒を見られるようになるの？十年経っても、あなたに頼るしかないなんて。】

一人の大人が、アレルギー物質を知っていながら、どうして自分を入院させるところまで追い込むのか。

私には分からないし、もう時間を無駄にして探ろうとも思わない。

一日かけて自分の荷物をまとめた。

夜になっても渡辺彰は現れなかった。

ただ仕事で残業しているというメッセージだけが届いた。

画面に表示された四文字を見て、私は心の中で嘲笑した。

彼は私を騙す言葉さえ考えようとしない。

あの日、彼のチームリーダーと電話した時、相手はわざわざ彼が安心して結婚休暇を取れるよう、仕事を入れていないと言っていた。

きっと今頃は病院で「残業」しているんだろうね。

深夜、スマホの壁紙のカウントダウンはついにゼロになった。

私はソファで一晩を過ごし、翌朝起きて身支度を整えると、すぐに空港へ向かった。

道中、思わず安堵した。

結婚式が偽物で、家族に知らせていなくて良かった。そうでなければ、結婚式から逃げ出すことを両親にどう説明すればいいのか、本当に分からなかっただろう。

空港に入った瞬間、彰に電話をかけ、別れの話をしようとした。

呼び出し音が一度鳴っただけで、相手にすぐ切られた。

その後、彼から音声メッセージが届いた。

極度にイライラした口調で：

「今すぐ着くから何を急いでるんだ？結婚式をすると言ったからには逃げないだろ？」

「麻衣は結婚式に参加するために早めに退院したのに、途中で事故に遭ったんだぞ、少しは察しろよ？」

「俺の友達たちをとりあえず落ち着かせておけ、今日お前に話があるんだ。」

音声メッセージが終わると、私は無表情でキーボードを叩き、彼にテキストメッセージを送った。

【別れましょう。結婚式はあなたたちにあげる。】