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Capitolo 6: 6

6

高橋隆の姿が人混みの後方から現れ、警備隊員たちは自然と彼のために道を開けた。

彼はきちんとアイロンのかかった新しい服を着て、ブーツまでピカピカに磨かれていた。周囲の血まみれの人々との鮮明な対比を成していた。

私は壁の隅に身を縮め、無意識に服の裾を強く握りしめ、力を入れすぎて指の関節が白くなっていた。

お腹の子供が危険を感じたのか、軽く私を蹴った。

隆は私の前にしゃがみ込み、手を伸ばして乱れた前髪をかき上げた。

「夕子」

彼はため息をつくように私のあだ名を呼び、指の腹で私の腫れた頬を撫でた。

「痛いか?」

温かい息が耳たぶをかすめ、しかし口から出る言葉は毒を含んでいた。

「お前は俺の妻だが、みんなを死なせた。もう許せない」

彼は自ら私に罪を宣告しに来たのだ。ゾンビを引き寄せて全員を死なせた妻という罪名を着せられれば、私は堂々と処刑されるだろう。

そうすれば、彼が全ての男たちを連れ出し、シェルターの防衛力を空にした責任を問う者はいなくなる。

隆のブーツが私の腹部に強く蹴りを入れた時、私は命の砕ける音を聞いた。

私は地面に身を丸め、爪をコンクリートの隙間に食い込ませた。

温かい血が足の間から溢れ出し、灰色の地面に目を刺すような小川を描いていた。

震える手で下腹部に触れると、そこにあったはずのわずかな膨らみは、今や恐ろしいほど平らになっていた。

五ヶ月の命、十七回の胎動、超音波写真を見ながら独り言を言っていた夜々。それら全てがこの一蹴りの下で、血の水と化した。

鈴木柔はさらに側で油を注ぐように言った。

「佐藤さん、あなたやりすぎです。私は隆兄とちょっと接触が多かっただけで、隆兄の心の中で一番大切なのはずっとあなたなのに」

「こんな残酷な方法で冗談を言うべきじゃないわ!」

彼女はまばたきし、絶妙なタイミングで一滴の涙を流した。

隆が手を上げて警備隊に私の処理を指示しようとした時。

「止めて!」

聞き覚えのある声が響き、皆が振り向いた。

義理の妹の高橋雨子が大勢の子供たちを連れて歩いてきた。


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