沢田直人が新たに考えた愚かな作戦を聞き、温井杏は彼を絞め殺したい気分になった!
「後で仕返ししてやる!」
この役立たずの味方に腹が立つとはいえ、急に高校三年生に戻ってきた彼女自身がまだ状況に慣れていないのだから、彼が彼女の考えを知らないのも当然だ。彼がしたことはすべて彼女のためであり、この事態を彼のせいにはできない。
彼女が以前武田彰人を宿敵と見なしていたせいだ。
武田彰人は売店からミネラルウォーターを買って教室に戻り、机の前に立って何口か飲んだ。突き出た喉仏が上下に動き、その野性的な様子に冷たさを添えていた。前方の席の女生徒たちが何度も彼を振り返り、恥ずかしそうな憧れの眼差しを向けていた。
こっそりと彼を眺める視線には、もう慣れっこなようで、彼はわき目もふらず、キャップを閉めて、机の引き出しを開けた。
温井杏は一気に教室の後ろのドアまで走り、ちょうど武田彰人が机を開ける動作を目にした。
「待って、開けないで——」
明らかに彼女の言葉は効果がなく、冷たい表情の少年はすでに机を開けていた。
温井杏の心臓は喉元まで飛び出そうだった。
「怖がらないで、助けてあげる!」
温井杏の言葉が終わらないうちに、少年の長く白い手が突然机の中に伸びた。
全身が青緑色で、十センチほどの青蛇が、彼に首の辺りを掴まれて取り出された。
臆病な生徒たちは、彼の手の中の蛇を見て、恐怖で大声で悲鳴を上げた。
普段は小悪魔を自称する温井杏だが、やはり女の子なので、蛇を見ると思わず足がすくんだ。
思わず数歩後ずさりした。
武田彰人は温井杏に一瞥をくれた。その瞳は黒く深く、まるで光を一切通さないようで、陰うつで冷たく、人の心を震え上がらせた。
「説明させて、実は…」
後に続く言葉は、少年がゆっくりと手の力を強め、もがく蛇を生きたまま握り潰すのを見て、途中で止まった。
彼は手を振ると、その死んだ蛇は彼女の頭の上をかすめ、続けて彼女の後ろのゴミ箱に落ちた。
温井杏の顔が青ざめた。喉は見えない手に締め付けられたように感じ、背骨から冷たい感覚が走った。
死んだ蛇の尾が、さっき彼女の額をかすめたようだ。
教室でこの光景を見ていた女子生徒たちは、彼女と同様に、恐怖で血の気が引き、肝を冷やしていた。
一方、その冷たい眉と目を持つ少年は、ウェットティッシュを取り出し、ゆっくりと長い指を拭き取った。彫りの深い顔には不快感のかけらもなく、冷血で暗黒的で、人をぞっとさせるほどだった。
彼は椅子を引き、背が高くすらりとした体を座らせた。
午後の最後の授業のチャイムが鳴るまで、温井杏はのろのろと席に戻った。
追いかけてきた沢田直人もこの光景を目にした。
彼は武田彰人が蛇すら恐れないとは思わなかった。むしろ生きながら締め殺すとは、普通の人にはできないことだ。
まったく変態的で、陰湿で、恐ろしい!
授業の前半、温井杏はずっと激しい鼓動を鎮めていた。
気持ちが落ち着くと、彼女は勇気を出して隣の少年を見た。
しかし彼は何事もなかったかのように、机に伏して眠っていた。
彼の顔は腕に埋もれており、彼女には彼の整った短い髪と、滑らかな曲線を描く長い首筋しか見えなかった。
前世では彼女はずっと武田彰人に敵対し、彼をいじめやすい相手だと思っていた。後に彼が番長になると、彼がただ女に手を出すことを潔しとしないだけだと知った。
彼の喜怒哀楽は定まらず、機嫌はコロコロ変わり、冷たさと不良っぽさは骨の髄まで染み込んでいるようで、性格は偏執的に近かった。しかし、そんな彼が番長になり大勢に追従された後、一度も彼女に仕返しをしなかった!
………