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夜、河野霞はテーブルに座って食事をしていた。
食卓の雰囲気は冷え切っていて、針が落ちる音さえ聞こえるほどだった。
義兄の声が突然現れ、この静けさを破った。「霞、胸が少し苦しいんだが、ちょっと見てくれないか?」
義兄の声を聞くと、霞は食事も終わらないうちに、すぐに自分の部屋へ向かった。
霞が義兄のために、迷わず私を置いて去っていく姿を見て、私は突然心に苦さを感じた。
霞、あなたはまだ気づいていないの?楽子がもう一日も姿を消していることに。
私は部屋に戻り、紙とペンを取り出して、机に向かって離婚協議書を書き始めた。
この病的な関係も、楽子の死とともに、終わりにする時が来たのだ。
深夜になってようやく、霞が私の部屋のドアをノックした。
彼女はようやく、夕食の時に息子の姿が見えなかったことを思い出したようだ。
しかしドアを開けた最初の言葉は、叱責だった。「たかが一日閉じ込めただけで、もう家出するの?家にも帰ってこないなんて!」
「あの子に伝えなさい。明日学校が終わっても帰ってこないなら、もう帰ってこなくていいって!」
言い終わると、彼女はまたドアを乱暴に閉めて去っていった。私に一言でも話す時間も与えずに。
彼女の言う通り、私の楽子はもう二度と帰ってこない。