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Capitolo 6: 6

秘境に入って二日目、突然の強風が吹き荒れ、周囲は砂塵に包まれ、方向も分からなくなった。

このような秘境には天材地宝が多く、さらには上古の真神が残した上古神器もあるとされているが、ここまでの道中ではあまり妖族に遭遇していなかった。

通常、そういった天材地宝は妖族によって守られているものだ。異常な状況には必ず理由がある。

私たちは団結して前進し、苦労しながら風砂に耐えて進んでいくと、しばらくして前方の地面から突然二筋の氷の柱が噴き出した。

私は素早く反応し、前にいた小師兄を引っ張って後ろに飛び退いた。

「皆、気をつけて」

周囲に無数の目が私たちを見つめているような気配を感じた。

案の定、氷の柱の後ろから一匹の斑模様の猛虎が空中から現れた。

こんなに体格の良い猛虎は見たことがなかった。その一本の牙からは血のような赤い液体が口角から流れ落ちていた。

明らかにこの虎はすでに正気を失っていた。だから私たちが秘境に入った時に多くの妖獸の死骸を見かけたのだろう。おそらく彼が魔道に入った時の養分を求めて殺したものだ。

白沢は私のそばで守るように立ち、眉をひそめて小声で言った。

「この虎、どこかで見たことがないか?」

彼の言葉で、私の脳裏に契約の日、師姐の後ろに立っていたあの猛虎の姿が浮かんだ。

「あの日、師姐が彼を選ばなかったから、彼は怒りで魔道に入り、秘境に逃げ込んで他の妖獸を喰らったんだ」

これはすべて師姐が蒔いた悪い種だ。私は眉をひそめた。

その猛虎は私たちを見ても少しも怯える様子はなく、天を震わせるような咆哮を上げた。

一緒に来ていた練氣弟子たちは瞬時に両耳から血を噴き、地面に倒れて苦しみ始めた。

「この秘境はすでに急変している。急いで師尊に連絡を!」

私と白沢は皆を守りながら後退し、離れる準備をした。

そのとき、雲の中から突然、妖艶で魅惑的な声が聞こえてきた。

「小師妹、お前は逃げられないわ」

「山本颯斗だ」

彼女は風に乗って現れ、一糸の白衣は雪よりも清らかに見え、直接その斑模様の猛虎の側に立った。魔道に入ったはずのその虎は彼女を見ると、まるで従順な大きな猫のように、彼女の足元に平伏した。

颯斗の目に宿る憎しみは隠しようもなかった。


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