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章 5: 第5章

林彰との協力は、綱渡りのようなものだった。

昼間、私は桐山晃司のそばで最も寵愛される拝金主義の女「ミヤ」として、彼のあらゆる雑事を処理し、様々な女性たちに対応していた。

夜になると、私は篠原清雅に戻り、林彰の指導のもと、桐山キャピタルの複雑な財務諸表と取引記録を研究し、彼らの犯罪の痕跡を探していた。

睡眠時間はますます少なくなり、体も痩せていった。

しかし、私の目はますます輝きを増していた。

なぜなら、自分の手で編み上げた網が、少しずつ締まっていくのが見えたからだ。

晃司は私を完全に信用するようになっていた。

彼は私人用の金庫の暗証番号さえ教えてくれた。そこには彼のすべての闇取引の契約書や証拠が保管されていた。

彼はおそらく、ローソク足チャートも理解できない女が、それらの書類を見ても天書を見るようなものだと思っていたのだろう。

彼は傲慢すぎた。

そして傲慢さは、破滅の始まりだ。

林彰は私に、彼らはすでに桐山キャピタルのほとんどの違法行為の証拠を掴んでいるが、致命的な一撃がまだ足りないと告げた。

晃司と彼の父親、桐山キャピタルの会長を、法廷で完全に追い詰めるための、反論の余地がない決定的証拠が。

この任務は、私の肩にかかっていた。

チャンスは、すぐにやってきた。

桐山キャピタルは、ヨーロッパの老舗エネルギー企業を対象とした二千億円規模の大型買収案を始動させようとしていた。

この案件は晃司が自ら担当し、彼のCEOとしての地位を固めるための最も重要な戦いだった。

彼はすべてをこれに賭けていた。

この案件のために、彼は昼夜を問わず会議を行い、極度に興奮した状態にあった。

そして私は、彼の特別補佐として、当然すべての契約書類を準備する役目を担っていた。

分厚い英文の買収契約書を手にしたとき、私の手は震えていた。

チャンスが来たと悟ったからだ。

これは典型的なレバレッジド・バイアウト案件で、買収側である桐山キャピタルは、複雑な株式担保や業績連動型条項を通じて取引を完了させる必要があった。

契約の条項は千以上にも及び、煩雑で複雑で、専門家でない人なら誰でも頭がクラクラするほどだった。

しかし私にとって、その中の一字一句は、自分の体を流れる血液のように馴染み深いものだった。

丸三日三晩、眠ることなく、この契約書を研究し続けた。


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