章 2: 第2章 美少女忍者に助けられた！
黒い野獣が体を低くして、筋肉をピクピク動かしてる。
血みたいに赤い目が、俺をガン見。
今にも飛びかかってきそうな雰囲気だ。「う、ちょっと待てって――！」本能的に後ずさるけど、足元で何かにつまずいて――
「うわっ！」
体がバランス崩して、ドサッと地面に尻もち。その瞬間、野獣がバンッと飛びかかってきた！「うおっ！」
反射的に横にゴロッと転がる。――ドン！野獣の爪が地面をブチ抜いて、土がバサバサ飛び散る！「うわ、危ねえ！ あと1秒遅かったら、俺の頭、コンビニのスイカバーのスイカみたいにグチャッてなってた！」野獣がゆっくり振り返る。
血赤い目が俺をジロリと睨み、牙の間からドロッとした唾液がポタポタ落ちて、すげえ臭え匂いが漂ってくる。「や、やめろって！ 近づくな！」手足を使って這うように後ずさるけど、頭ん中はパニック状態。
――逃げる？ 無理！ こんなバケモノに追いかけられたら、絶対アウトだろ！
――戦う？ もっと無理！ 俺、武器ゼロ！ せめて木の棒でもあればなぁ！普通、RPGなら初期装備でショボい剣くらいもらえるだろ！？
スライムどこ！？ チュートリアルどこ！？野獣が再び飛びかかってくる。
デカい口がガバッと開いて、臭え息が顔に直撃！ 吐きそう！「うわ、終わった……マジで死ぬ……！」その瞬間――「シャン！」夜を切り裂く金属音！
空から黒い影がスーッと降ってくる！次の瞬間、細長い刃が野獣の首をスパッと切り裂く！
黒い血がドバーッと噴き出して、野獣が「グオッ！」って低い唸り声を上げて、ガクガクッと数歩よろけて、ドサッと倒れる。
ピクピク動いたあと、完全に動かなくなった。「……は？」俺、地面に座り込んだまま、ポカンと口開けて見上げる。目の前に、めっちゃ細身の黒い服の少女が立ってる。忍者みたいなピッチリした服が、めっちゃスタイルいい体を強調してる。
黒い髪を高いポニーテールにまとめて、夜風にサラサラ揺れてる。
肌はまるで雪みたいに白くて、顔は……うわ、めっちゃ可愛い！
でっかい瞳が、夜空の星みたいにキラキラしてる。手には、めっちゃ長い忍者刀。
刃に黒い血がまだベットリついてて、ちっちゃい体には似合わないくらいデカい刀だ。少女が刀をシュッと振ると、血がポタポタ落ちて、地面に真っ黒なシミを作る。
そのまま、サクッと刀を腰の鞘に収める。「よっ、こんばんは～！」少女がチラッとこっちを見て、ニコッと笑う。
まるで、さっき蚊をパチンって叩いたみたいな軽いノリ。俺、口パクパクさせて、言葉が出てこねえ。
……生きてる？
俺、生きてるよな？
この子が助けてくれたんだ……！少女は鼻歌まじりで――しかも、めっちゃ音痴――野獣の死体に近づいて、しゃがむ。
袖からスッと苦無を取り出して、野獣の額にブスッと刺す。――ザクッ、グチャッ、ビリビリ。マジで！？
俺、目を丸くして見てるしかねえ。
少女、めっちゃ慣れた手つきで獣の皮を剥いで、血まみれの頭骨をガリガリやって、額の真ん中にポコッとした窪みを見つける。「ん～、晶核、ないねぇ。」少女、ちょっと口を尖らせて、残念そうな顔。俺、完全に固まって、息すら忘れてる。
いや、ちょっと待て！
今、こいつ、苦無でバケモノの頭をパッカーンって！？
まるで、夏祭りのスイカ割りみたいに！？胃がムカムカしてきて、慌てて目を逸らす。
これ以上見たら、マジでコンビニのカルビ弁当吐きそう。少女は平気な顔で苦無の血をペッと払って、立ち上がる。
パンパンって手を叩いて、まるでゴミ捨てでもしたみたいなノリ。「そういえばさ、キミ、ただの一般人なんでこんなとこにいるの？」少女が首を傾げて、琥珀色の目が血月の光でキラッと光る。「あ、えっと……！」何か答えようとした瞬間――
突然、首元をガッと掴まれる！「うわっ！？」次の瞬間、体がフワッと浮いて、視界がグラグラ揺れる。
耳元で風がビューッと唸る！――ドン！ほぼ同時に、さっき俺がいた場所に、黒い影がバンッと飛び出してきた！「ひっ！？」息を飲む。
またあの黒い野獣！
でも、さっきのよりデカい！ 2倍くらい！
真っ赤な目が俺たちをガン見して、喉の奥からゴロゴロって低い唸り声。でも、なんか変だ。
野獣、すぐに襲ってこねえ。
ゆっくり歩いて、倒れてる死体に近づく。鼻をヒクヒクさせて、死体の匂いを嗅いでる。
そんで、ベロッと舌で傷口を舐めて、「クゥーン」って悲しそうな声。……え、これ、死んだやつの仲間？ 親子？
なんか、めっちゃ哀しそうな雰囲気なんだけど！心臓がバクバクして、声が震える。
「な、なな、今、どうすりゃ……？」「決まってるじゃん――」少女の声がピタッと止まる。
次の瞬間、シュッと手が動いて、苦無がビュンッと飛ぶ！――ブスッ！苦無が野獣の目にガッツリ刺さる！野獣が「ガウッ！」って吠えて、体をガクガク震わせる。
爪で地面をガリガリ引っ掻いて、赤い目が怒りと殺意でギラギラ燃えてる。でも、少女の姿がスッと消える。次の瞬間――
刀光がピカッと光る！血がドバーッと噴き出して、野獣の喉がスパッと斬られる！少女、ヒラリと地面に着地。
ニヤッと笑って、
「――ぶっ倒す！」野獣が「オオオッ！」って最後の咆哮を上げると、少女の忍者刀がズバッと後ろ首に突き刺さる！野獣、ガクガク震えて、数秒でドサッと倒れる。
ピクピク動いたあと、完全に動かなくなった。俺、目を見開いて、喉がゴクリと鳴る。
……強すぎだろ、この子！少女はサラッと刀を抜いて、血をシュッと払って、鞘にスチャッと収める。そんで、またしゃがんで、死体の目から苦無をグイッと引き抜く。
そのまま、額をザクザク切り開く。俺、眉をひそめて、思わず声が出る。
「な、なにしてんの！？」「そりゃ、晶核探しに決まってるじゃん～！」少女、軽いノリで答えて、苦無で器用に骨をガリガリやって、血まみれの窪みから何かを取り出す。「あった！」少女の目がパッと光る。
苦無でチョイっと突くと、キラキラした水晶みたいな核がポロッと出てくる。
血月の光で、なんか赤い液体が中をグルグル動いてる、めっちゃ不気味な輝き。少女、晶核を手に持って、ニコニコしながら眺める。
そんで、パッと投げてキャッチして、腰のポーチにポイッと放り込む。「これ、なに……？」俺、思わず聞く。少女、チラッとこっち見て、ちょっと驚いた顔。
「え、晶核知らないの？」やべ、なんかバレたらマズい気がする。
「いや、知ってるよ！ ただ、ほら、リアルで見たことねえからさ！」慌てて誤魔化して、後頭部をガリガリ掻く。少女、ポーチをパタパタ叩いて、気楽に言う。
「ふーん、そうなんだ。」そのまま、少女はまたこっちを見て、ニヤッと笑う。
「で、キミ、さっきの質問答えてよ。なんでこんなとこにいるの？ ただの一般人でしょ？」俺、なんとか自然な顔で、苦笑い。
「いや、実はさ、道に迷っちゃって。なんか、安全なとこ探してたら、わけわかんないうちにこんな荒野に……」少女、ジトッとこっちを上から下まで見る。
「ふーん、一般人がこんなとこで生き残ってるって、めっちゃラッキーじゃん。」俺、苦笑いで返す。
「いや、マジで。キミがいなかったら、俺、2回死んでたよ。ありがとな、ほんと！」少女、フッと笑って、手をヒラヒラ振る。
「まぁ、いいよ。ついでだったし。」いや、ついででこんなバケモノ倒せるって、どんだけ化け物だよ！？ちょっと迷ったけど、思い切って聞いてみる。
「なあ、キミ、普通の人間じゃねえよな？」少女、なんか面白そうな質問きたって顔で、クスクス笑う。
「当たり前じゃん。私、強化者だよ。」強化者？
なんか、めっちゃ強そうな響き！ でも、具体的に何だよ、それ？もっと聞こうとした瞬間、少女が急にニコッと笑って、こっちを見る。
「ねえ、キミ、強化者になりたい？」「は？ 俺が？ 強化者？」ポカンとして、自分を指差す。「そう！ この爪獣の晶核、キミに売ってあげるよ。吸収すれば、強化者になれるよ！」少女、腰のポーチをチャラチャラ揺らして、ニヤニヤ。「えっと……」頭、フル回転。
晶核吸収？ どうやって？ 強化者って、どんなメリットあんの？「この爪獣の晶核、相場だと5ゴールドだけど、特別に――」
少女、わざとゆっくり喋って、ウィンク。
「3ゴールドでいいよ！ どう？」めっちゃ営業トーク！
でも、俺、頭ん中で叫ぶ。
金ねえよ！ ニートの財布、空っぽだぞ！「えっと……悪い、俺、財布持ってねえんだ……」少女、肩をすくめる。
「ちぇ、しょうがないね。」「そういえば、」俺、話題を変える。「キミ、名前は？」少女、ちょっと止まって、ニコッと笑う。
「夜見千夜。キミは？」「藤沢健一。」
俺、名前を返して、なんかちょっとホッとする。
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