章 6: 第6章

「ご列席の皆様、結婚式の前に、松本和香とはどんな人物なのか、ご紹介させていただきます」

参列者たちは私が愛の告白をするのだと思い、次々と拍手を送り、祝福してくれた。

「松本和香、私は彼女と8年間付き合ってきましたが、実は彼女のことをよく知らなかったことに気づきました。彼女には予想もしなかった一面がたくさんあり、日常生活では多くの友人と交流し、博愛の精神を持っています」

「しかし、今日は皆様にはっきりとお伝えしたいことがあります。私、田中光男が娶る女性は、実は佐藤美咲さんです。この松本和香さんは、場所を間違えてしまったようですね」

私はブライズメイドの中から佐藤美咲を壇上に引き上げ、しっかりと抱きしめた。会場は騒然となった。

「田中光男！気が狂ったの！何を言ってるの！」

松本和香は焦り、顔を真っ赤にして、花束を手に持ったまま困惑して立ち尽くしていた。「美咲、あなた私の親友でしょう、何してるの！」

私はマイクを取り、さらに説明を続けた。「ご親族の皆様、大変申し訳ありません。招待状を書く際に名前を間違えてしまい、皆様に誤解を与えてしまいました。特に松本和香さんは深く誤解されたようで、ウェディングドレスまで着てきてしまいました」

「田中光男！どういうつもり！あなたが必死に私に結婚を迫ったじゃない！今になってこんなことするの？」

私は冷笑して言った。「私、田中光男がそんな誰とでも寝る売女にプロポーズするわけないでしょう？」

「何ですって！」

「田中！その口の利き方を改めなさい！」

松本家の人々も大勢来ていて、特に松本和香の両親はテーブルをひっくり返すほど怒っていた。

「皆さん、慌てないでください。面白いものを見たい方は、携帯のカメラを大スクリーンに向けてください。私たちの情熱的でおもてなし上手な松本和香さんが、結婚式当日にウェディングドレス姿でお客様をどのようにもてなしているか、ご覧いただきましょう」

そして巨大なスクリーンと二つの巨大スピーカーを通じて、松本和香がウェディングドレス姿で鈴木浩一と交わっている映像が、すべての参列者の前で再生された。

鈴木浩一は驚愕し、逃げ出そうとしたが、私の仲間たちに捕まえられ、私の前に連れて来られた。