章 11: 第11章 メンツをつぶす！

1階のバーは、今や人々の声で騒がしくなっていた。

臼井真広はA市でかなりの名声があり、その呼びかけに応じて、友人たちが次々と連れ立ってここに集まり、すっかりと満員になった。

バー全体が幻想的な照明に包まれ、男女がダンスフロアで狂ったように体を揺らしていた。

寺田佐理菜は赤い長いドレスを着て、頬を赤らめ、隅に座っていた。彼女は手に飲み物を持ち、そばにいるプラスチック姉妹たちが彼女におべっかを使っていた：

「佐理菜、一流ホテルの値段はかなり高いわよね。臼井さんは大きな動きがあるんじゃない？もしかして...プロポーズ？」

「絶対プロポーズよ！間違いないわ！あなたのお姉さんが帰ってきたんでしょ？婚約書も破られたって聞いたわ。正式に婚約解消したってことね！」

「あの死んだデブ...女のせいよ！もし彼女が何年も海外に隠れていなければ、佐理菜と臼井さんはとっくに結婚していたかもしれないのに！」

「あれ、あの女がなぜ来たの？！」

この言葉とともに、寺田佐理菜も入り口の方を見た。

寺田凛奈は今日もカジュアルな服装で、ジーンズに黒のTシャツ、首元の肌が白く輝いていた。

彼女は無表情で、目を少し伏せ、世をすねたような雰囲気を醸し出していたが、その顔は美しく華やかで、入ってくるなり周りの全ての人の注目を集めた。

彼女が入ってきた瞬間、ウェイターがバックステージに駆け込んだ。「臼井さん、来ましたよ！」

臼井真広はすぐに立ち上がり、前に歩み出た。「準備して！」

バーの喧騒な音楽が、寺田凛奈に頭痛を感じさせ、心の底には抑えきれない煩わしさが湧き上がっていた。

彼女は顔を上げ、冷たい視線で寺田佐理菜を見つけると、彼女の方向に歩いていった。

近づく前に、寺田佐理菜の偽善的な声が聞こえてきた。「お姉さん、なぜ来たの？真広お兄さんはあなたに会わないわよ〜」

　この言葉を聞くと、彼女の悪友たちが口を揃えた。

「寺田凛奈、まさか臼井さんがプロポーズすることを知って、邪魔しに来たんじゃないでしょうね？」

「自分が不品行で、ろくでもない男とつるんで婚前妊娠したから臼井さんに捨てられたのに、まだ臼井さんを悩ませに来るの？恥知らず！」