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章 5: Chapter 5

「傷口は水に触れないほうがいい」

高橋翔太の手を取った時、彼は顔を横に向け、耳の付け根が怪しく赤くなった。

でも拒否はしなかった。

私は落ち着いたふりをして、彼の袖を一枚一枚めくった。

高橋翔太は私に尋ねた:「どうするつもり?招待状も配って、会場も予約済み、ゲストも招待して、結婚式の準備もずっとやってきたのに」

「あなたはどうすべきだと思う?」

顔を上げると、高橋翔太と目が合った。彼は軽く笑い、その目には何とも言えない喜びが混じっていた。

「もったいないと思うよ。無駄にしないで」

彼は木質調の香水を好み、頭を下げると温かい息が私の耳元にぴったりと届いた。

「新郎を変えてもいいんだよ」

「例えば...」

私の心が乱れた瞬間、彼の答えはまだ口に出されていなかった。

怒号が静けさを破った。

「何をしているんだ!」


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