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私は一晩中眠れず、このブロガーの投稿を何度も何度も見返していた。
スマホの光を頼りに、隣で寝ていた鈴木誠を起こした。
誠は眉をしかめ、不機嫌そうに私を見た。
【また何だよ、明日出張に行くんだぞ。】
私は苦笑いを浮かべた。いつからか、彼の態度がこんなにも冷たくなっていたなんて。
最初は、誰もが羨むような模範的なカップルだったのに。
私はスマホを彼の方に向け、問いただした。
【これはどういうこと?】
誠は一瞥しただけで、表情を変えることなく、あきれたように私の頭を撫でた。
【沙耶が部屋のドアの外に何か印がつけられていて、誰かに狙われているんじゃないかって怖がってたんだ。】
【前に警察に通報したけど、警察は来ても形式的に二言三言聞いて、監視カメラを確認しただけで、何も異常はなかったって。】
【だから見に行ってほしいって。ちょうどその泥棒を脅かして、軽はずみな行動を取らないようにできるかもしれないって。】
誠の涼しげな目が優しく私を見つめ、私の額にキスをした。
【もう、考えすぎないで。俺の全ては君のものだよ。】
【あの子のことは、あまり関わらないようにするよ。】
【彼女はもうすぐここを離れるし、彼女と子供のことはもう関わらないつもりだから。】
誠の優しさに溺れそうになる。何か違和感を感じつつも、それが何なのか言葉にできなかった。
結局、誠は高橋沙耶の子供とDNA鑑定をしたことはないし、将来その子が誠の財産を受け取ることもできない。
誠は私に隠し事をしたことはないし、沙耶と彼女の子供に大金を送金したこともない。
これら全て、私の取り越し苦労だったのかもしれない。
私はベッドに横たわり、誠が沙耶に電話をかける声を聞いていた。
【何度言ったら分かるんだ、変な投稿をして俺の妻に誤解させるな、すぐに削除しろ!】
【しばらくは何もなくても連絡してくるな。その子は君が自分で産むと決めたことだ、俺とは何の関係もない!】