概要
今日は、夫である竜ヶ崎蓮(りゅうがさきれん)との結婚三周年記念日。心待ちにしていたレストランで私、氷月詩(ひづきうた)が目にしたのは、彼が友人である暁刹那(あかつきせつな)にひざまずき、指輪を差し出す光景だった。「罰ゲームだよ」と友人たちは笑うが、彼の目は本気だった。刹那の策略で濡れ衣を着せられた私を、蓮は信じようともしない。妊娠中のお腹を庇いながら階段から突き落とされた私は、たった一つの希望だった我が子を失った。なのに、ようやく病院で再会した夫は、刹那を連れた私にこう言い放ったのだ。
「ここは俺の家だ。彼女(わたし)の許可なんかいらない」
私と我が子を捨てた男が、私たちの家にあの女を住まわせるという。ああ、そう。七年間信じ続けた愛も、帰る家も、もう何もない。あなたが私に与えた「五回のチャンス」は、もう使い果たした。だから今度は、私があなたのすべてを奪う番だ。
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