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2.1% 頼んだのは印刷だけ!神を殺せなんて言ってない! / Chapter 10: アリスが珍しく大人しい

章 10: アリスが珍しく大人しい

編集者: Pactera-novel

アリスはハリーを放って、ラインの目を引きつけた後、息つく暇もなくパインジャ湖へ向かった。

オシャナの情報によると、アンナを誘拐した悪党たちが参加する罪の祭典は一ヶ月半後に開催される。あの悪党たちは罪の祭典で罪の神フロレスに少女たちの魂を捧げるつもりで、それまでは少女の純潔を保つ必要があるという。

しかしそれはアンナの安全を意味するわけではなく、アリスは時間との戦いを強いられていた。

親友の命が風前の灯火という状況のためか、アリスはその後の三日間、清水に迷惑をかけることはなかった。山賊の巣五カ所、荒野の怪しい店八カ所、そして庶民を食い物にする低級貴族の城十三カ所を焼き払っただけのことだ。

そう、アリス自身の命を危険にさらすような行動に比べれば、これらの正義の草刈り行為は清水の目にはもはや問題とすら映らなかった。

この三日でアリスは清水に三枚の法術カードをもたらした。それが比較的おとなしかったと言える。

最も驚くべきことに、アリスの巧みな放火に伴い、彼女の法術カード【放火能力】はなんと星が上昇した。

夜明け大陸では、魔法には規定の星級がある。清水のカンストアカウントが火球術を使っても、それは1階の魔法でしかない。しかし【放火能力】は魔法ではなく、アリスの行為から生まれた行為系の法術カードであり、具現化されたスキルではない。

小説の主人公が非人道的な行為をするようなものだ。それをスキルとは呼べないが、そうした行為によって主人公が多くの利益を得て、強敵を打ち負かすのと同じだ。

数日間の研究を経て、清水は魂カード世界からカードを獲得する法則をおおよそ理解した。先人の経験も合わせて、どうやってもっと多くのカードを魂カード世界から獲得するかがわかってきた。

これはしっかり研究する価値がある。カードの販売は非常に儲かるビジネスなのだから。

魂カード世界での無敵は虚構だが、現実の富こそが真実なのだ!

魂カード世界から得られるカードは大きく分けて数種類ある。

第一種は本源系法術カード。これは魂カード世界の力のシステムに元々存在するスキルや装備だ。魂カード従者がそれを習得したり装備したりすると、この種類の法術カードが出現する。しかし実践的には、清水は命カード師として魂カード従者が使用するスキルや装備からも同様のカードを得られることを発見した。例えば清水が使用した【復活】などのスキルだ。これは教科書には載っていない。ほとんどの命カード師は魂カード世界で現地人の身分を持っておらず、まずキャラクター設定から始める必要があるからだ。

第二種は行為系法術カード。つまり魂カード従者が魂カード世界で取る特定の行動が具象化した法術カードだ。アリスの【放火能力】や【股間破砕の一撃】がその例だ。しかし決闘機の行為系法術カードに対する判定はとても奇妙で、あったりなかったりする。行為系法術カードを生み出す行動は将来に大きな影響を与える可能性があるという説もあるが、清水はこの【股間破砕の一撃】が一体将来にどんな影響を与えるのか非常に興味があった。

第三種は事件系法術カード。魂カード従者が重大な事件に参加すると、事件終了時に事件系法術カードを獲得できる。事件系法術カードはほとんどが永続型法術カードで、遊戯王の永続魔法カードのような働きをする。相手に破壊されない限り、効果を出し続けることができるため、この種類の法術カードは非常に強力だが、同様に非常に入手しにくい。清水はこのたびモデナ城に向かう際に、事件系法術カードが発動できないか試してみようと考えていた。

以上が法術カードの三種類だが、従者カードのルールはずっと単純だ。魂カード従者の追従者、または魂カード従者への好感度が一定レベルに達すると、従者カードが生まれる。

底辺キャラクターを引き当ててしまった不運な命カード師にとっては、従者カードを集めるのが最も苦しい作業だった。

底辺の貧乏人に追従者などいるわけがなく、愛情や友情を持つ資格もない。

そのため、こうした命カード師は通常、外部から従者カードを購入して新人期を乗り切る。彼らは決闘試験を一番恐れ、自分の実力を高めるために必死に法術カードを稼ごうとする。

しかし【放火能力】のような行為系法術カードが星を上げるというのは、清水も初めて知った。

アリスの放火に伴い、彼の手元にある【放火能力】も12星に達した。

2星の魂カードから12星の法術カードを生み出すなんて、彼女の精神状態を疑わずにはいられない。

とはいえ、これは清水にとって悪いことではなかった。【放火能力】の星級が上がるにつれ、この法術カードへの改造強度も向上し、アリスの数日間の騒動の後、彼はついに真の意味での場を一掃する法術カードを手に入れたのだから。

……

カード名:【放火能力】

類別:法術カード

星級:12星

効果:自分のメインフェイズ時、あなたはデッキの一番上のカード1枚をめくって捨て、その後、相手フィールド上のそのカードより星級の低い命カードをすべて破壊する。

……

アリスがパインジャ湖まであと数日の道のりを残す中、清水も自分の旅に出る時が来たと計算していた。

数えてみると、手持ちの命カードは決闘試験に必要な数に丁度達していた。アリスがパインジャ湖に到着して自分の収納箱を開けた時、おそらくさらに一連の命カードが自分の手に入るだろう。

アリスが道中で何か事件に巻き込まれる可能性を考慮し、清水はカードの売却を控え、決闘試験が終わってから考えることにした。

「こんなに早く二十枚の命カードを集められたの?」清水が別れを告げに来たとき、教案を書いていた小林琴音は驚いて言った。

『命カード認知基礎』コースの教師であり一階職業命カード師として、琴音も過去に決闘試験に参加したことがあり、魂カード世界から命カードを獲得することの難しさをよく理解していた。カレンダーを見ると、明後日が6月6日だ。試験の二日前に命カード収集を完了するなんて、間違いなく信じられないことだった。

多くの決闘試験の受験者は、期限ぎりぎりで命カード収集を完了することが普通だった。

琴音自身もそうだった。試験官がデッキを検査する直前の一秒前に、彼女の魂カードがようやく最後のピースを獲得し、検証をパスした。

「あなたの魂カード、本当に魔法学徒なの?」琴音は清水の成功を喜びながらも、なお信じ難い様子で言った。「こんな命カード獲得効率は、七八階の強者より上だわ」

「彼女はちょっと特殊なんです」清水は少し気まずそうに答えた。放火好きな問題児だとは言えないし、特に悪事に遭遇しやすい不運な問題児だとなおさら。

琴音はそれ以上は詳しく尋ねなかった。魂カードの情報は命カード師にとって最も機密性の高い情報だ。

「じゃあここであなたの良い知らせを待っているわね」琴音は微笑んだ。

「実は可能ならば、小林先生と一度決闘をして、自分のデッキを試してみたいんです。先生は一階職業命カード師ですよね?」

「ああ、私はもう職業命カード師ではないわ。もうカードはしないの」琴音は残念そうに言った。

「引退?なぜですか?」清水は思わず尋ねたが、すぐに自分が無遠慮だったと感じた。この種の問題は他人のプライバシーだ。

「先生から最後の授業よ、清水」琴音は真剣な表情で清水を見つめ、ゆっくりと口を開いた。「プロの試合では、チャンピオンはただ一人。チャンピオンになるためなら誰でも裏切る人がいるわ。あなたの魂カード従者の情報は誰にも明かさないこと」

魂カード世界は合計33個あり、多くの命カード師の魂カードは同じ世界にある。同魂カード世界の相手に自分の魂カードの情報が知られれば、反則技を使われる可能性がある。

夜明け大陸を選ぶ命カード師は少ないが、皆無ではない。同時に、夜明け大陸を選ぶ命カード師のほとんどは行き詰まったギャンブラーであり、そのため極端な行動に出る可能性が高い。


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