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15.38% 二十年の愛を結婚式で断ち切る / Chapter 4: 第4話:あと十二日

장 4: 第4話:あと十二日

第4話:あと十二日

[雪音の視点]

「ウェディングフォト、やめよう」

朝のテーブルで、冬夜がカレンダーを指差しながらそう言った。

私はコーヒーカップを口元に運んだまま、彼を見つめた。

「そう」

あっさりと答えると、冬夜の眉がわずかに上がった。もっと反対されると思っていたのだろう。

でも、もともと結婚するつもりなんてない。ウェディングフォトなんて、どうでもいい。

「......意外だな。もっと嫌がると思ってた」

「別に」

私は再びコーヒーを飲んだ。苦味が舌に広がる。

冬夜は少し戸惑ったような表情を見せたが、すぐに安堵の笑みを浮かべた。

「ありがとう。実は......明日、紅と一緒に撮ることにしようと思うんだ。後で改めて撮り直せばいいさ」

後で。

内心で苦笑いが浮かんだ。この街にいるのは、あと十三日。「後で」なんて存在しない。

「わかった」

私は静かに頷いた。

翌朝、冬夜は慌ただしく身支度を整えていた。

「今日のフォト撮影の後、紅と少し旅行に行ってくる」

鏡の前でネクタイを直しながら、彼が振り返った。

「旅行?」

「二泊三日くらいかな。結婚式は簡単にしておいて。リハーサルとか準備は時間がないから、すべて君に任せるよ」

私は洗い物をしていた手を止めた。

結婚式の準備を、花嫁一人に丸投げ。

しかも、別の女性と旅行に行った直後に。

「雪音?」

返事をしない私を見て、冬夜が心配そうに声をかけた。

「聞こえてる」

私は振り返らずに答えた。

「そうそう、新婚旅行はセレスティア大陸にしよう。君、前から行きたがってたよね」

冬夜の声が妙に明るい。機嫌を取ろうとしているのがありありとわかる。

でも、私は何も答えなかった。

「......帰ってからまた話そう」

時計を見た冬夜が、慌てて玄関へ向かった。

ドアが閉まる音が響く。

私は一人になったリビングで、テーブルの上のカレンダーを見つめた。

今日の欄に書かれた「ウェディングフォト」の文字に、大きなバツ印をつける。

あと十二日。

ペンを置いて、私は立ち上がった。

クローゼットを開けると、五年間の思い出が詰まった品々が目に入る。

古びたアルバム。

ページをめくってみると、写真はほとんど入っていない。二人で撮った写真なんて、片手で数えられるほどしかなかった。

次に手に取ったのは、ペアのパジャマ。

去年のクリスマスに買ったものだ。私は何度も着たけれど、冬夜の分はタグがついたまま。一度も袖を通していない。

五年間、一緒に暮らしながら、この部屋にあるものは全て私が少しずつ揃え、空っぽだった部屋を居心地のいい空間に変えてきた。だが、よくよく見てみると、そのほとんどを冬夜は一度も使ったことがない。

カップルの写真立て、お揃いのマグカップ、二人用のクッション。

全部、私一人の思い出だった。

私はそれらを一つずつ、ゴミ袋に入れ始めた。

思い出と一緒に、過去も消し去ってしまおう。

カレンダーを見上げる。

あと十二日で、この部屋からも、この街からも、そして冬夜からも——

完全に消えてしまう予定だった。


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