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장 8: 第8話 人間の見る夢

 昔話。

 地球という星は一度『神』に滅ぼされた。

 バラバラに砕け散ったというわけではない。だが、表面の数パーセントを消失し、その時の衝撃や環境の変化で『人間』を滅ぼされたのだから、それは『地球が滅びた』と言ってしまってもいいだろう。

 滅びの直接的な原因を端的に語るならば『隕石の衝突』になる。

 ただし冷たい隕石だ。地表を衝撃とそれにより発生する熱量によって燃え上がらせるのではなく、温度を下げて地球の表面をなぞるように削り、急激な環境の変化に対応できない生物を殺した。

 ここで興味深いのは、人間よりも環境の変化に弱い生き物たちが生き残った事実だろう。

 もちろん、その時にいた場所、タイミングなどによってはそういう奇跡もある。

 だが、人間をほぼ全滅させたにしては、あまりにも被害が小さかった。

『神』は機構である。

 人間を滅ぼすために過不足ない攻撃をした。その結果、人間以外が保護された。

 ようするに、そういう話なのだ。

 だが、実際に、現代に人間が生き残ってしまっているように、『神』の側も、『冷たい隕石』の一発で人間すべてを滅ぼせるとは思っていなかったようだ。

 生物を絶滅させるというのは、なかなか難しい。爆撃一つ落としてそれですべて綺麗さっぱり、とはいかない。

 あるいは、『神』の力であれば、人間以外も滅ぼすつもりで攻撃をしたら滅ぼせた可能性もあるが……

 結果として、人間は残った。

 そしてそれは、『神』も想定するところだった。

 だからこそ、『神』は『天使』を放ったのだ。

 古来からよくある手口である。

 戦国時代、軍と軍が向かい合ったら、まずは矢を放つ。そうしてから、突撃し、残敵を蹴散らす。

 近代戦争。まずは爆撃をする。その後、歩兵が相手の生き残りを探し、これを討つ。

 大規模な破壊は相当な数を減らすが、『絶滅』が目的の場合、そんな大雑把な一撃だけでは終わらない。

 だから神は『天使』を放った。それは、矢の打ち合いのあとに突撃する足軽のようなものであり、爆撃のあとに残敵がいないかを確認する歩兵のようなものである。

『神』にとって恐らく計算外だったのは、人間が思ったより好かれていたことだ。

 地球で『知的生命体』と言えば確かに人間だった。

 だが、それ以外にも、同等か、あるいは人間により作成された『新しい知的生命』も、存在した。

 それらは人間が好きだった。だから、持てる力で、人間を守ろうとした。

 ……多くは失敗した。

 その結果、人間はほぼ『皆無』と言えるぐらいに、減ってしまった。

 だが、いくらかの『成功』を収めた者もいた。

 人間を未来まで生き残らせることに成功したのだ。

 ──もしも、遠い未来で、あなたが目覚めることがあれば……

 ──お願いがあるの。どうか……

 彼は夢を見ている。

 彼には知らないことがたくさんあった。

 この地球上には今、どのような種族たちが暮らしているのか。

 概要は知っているけれど、無数の都市国家が運営されているらしい。自分はその中のなんという都市国家にいて、これは地球上の地理で言えばどのような位置なのか。

 自分に面会する機械生命体やミュータントたちが総じて女性型なのは、男性である自分への配慮なのか、それとも、この世界には女性しかいないのか……

 知るべき情報はたくさんある。

 けれど、急いですべてを詰め込むことはないと、彼はわかっている。

 勉強と同じだ。最初からミクロな情報を微に入り細に穿ち掘り下げるよりも、まずは概要をつかんでからの方が頭に入りやすい。

 彼が知りたいのは『この世界の概要』で、それはどうにも、この世界の縁をなぞって輪郭を確かめられるほどには、『教えること』が許可されていない、そういう感触だった。

 だからこそ、今は、仲間を増やし、自由を手に入れるのが最優先──

 ──お願いがあるの。どうか……

 ──私たちと、再会して。

 夢。

 自分が寝ているカプセルをのぞき込む女性。

 その顔を必死に思い出そうとする。

 暗い影がかかって見えない。

 優しそうな声が耳朶を打つ。

 印象……髪は、長い。

 自分はその女性に親しみと、感謝を感じていたような気がする。

 その女性の言葉は、自分が命を賭して守るべきものだと、そういう確信がある。

 恩人、なのだろう。

 顔も名前も思い出せないけれど……

 彼は集中する。

 夢の中の自分はカプセルに入れられて、今にも眠りに入ろうというところだったらしい。

 まずは麻酔で眠りに落ちて、それから温度を下げてどんどん代謝を遅くしていく。

 腕につながれたチューブは、低温化でも血液の流れが止まらないようにするための薬液だった、と思う。どう、だろう。詳しいことは、やっぱり、思い出せない。そもそも、自分は科学方面の素質がある人材ではなかったようにも思う。

 では、なぜ、自分に託そうと思ったのか?

 自分は何ができるのか。

 彼女はなぜ、自分に、言葉をかけたのか?

 彼女は──誰、なのか。

 ……意識が暗くなっていく。

 夢の中で眠りについて、夢が終わろうとしていた。

 その中で、彼は集中して、集中して、集中して──

 一つだけ、掴んだ。

「角だ」

 カプセルを覗き込む女性の額からは、角が生えていた。

 形状は──ダメだ、わからない。だが、確信する。角。あるいは、角のような、パーツ。それが生えている。

 手がかりは『皆無』から『些少』になった。偉大なる進歩だ。

 そして、彼は思うのだ。

「……あなたと、再会したい」

 本人とは、もう、不可能だろう。

 だから、同種と再会したい。

 彼の中に、一つの具体的な夢が灯った。


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