장 3: 彼に診てもらえるなんて光栄なことだわ

에디터: Pactera-novel

「頼りになる人ならだれでもいい」千晴は今、下半身がとても痒く、早く治るのを切望していた。

「安西医師ですか？」

そのとき、扉の外から、優美でスラリとした白衣姿の男が入ってきた。白っぽい照明の下、まるで絵筆で描いたような顔立ちは冷静そのもの。彼の目の下には涙袋があり、疲れた様子でありながらも色気があった。

千晴の最初の反応は、この人は昨晩会所で出会った桜の元彼氏ではないかということ。そして次の反応は、もしかしたら自分の診察をするのはこの…男性医師なのではないかということだった。

胸元に「松岡宗佑」という名前を見たとき、彼女は動揺した。「お姉ちゃん、まさかこの人が…あなたの言っていた松岡医師じゃない？」

千尋は申し訳なさそうに彼女に向かって笑った。

千晴はパニックになりそうだった。もし視線で人を殺せるなら、千尋は千回は死んでいただろう。

「あなたは安西医師の妹さんだね。どこが具合悪いのかな？」宗佑は診察机の椅子に座った。この静かな病院では、彼の声も男性には珍しい澄んだ声だった。

しかし千晴は冷静になれなかった。彼女は千尋の腕を強く引っ張って診察室を出ると、すっかり逆毛が立ったような表情で言った。「なんで松岡医師が男だって教えてくれなかったの？」

千尋は急いで彼女の肩をたたき、毛づくろいするように落ち着かせようとした。「聞いて、病気の前には医師に男も女もないのよ。それに、この松岡医師は男性だけど、技術は婦人科の主治医よりもいいの。彼が診てくれれば、絶対に病は治るわ」

千晴は取り乱した。「男性なんてダメよ、技術がいくら良くてもダメ。お姉ちゃん、さっきまで男性に診察させないって言ってたでしょう。いつも気まぐれなのはわかるけど、こんな大事なときに私を困らせないでよ」

「あら、他の男性ならもちろん同意しないわ。でも松岡医師は普通の人じゃないのよ。彼はスタンフォード大學を卒業した華僑の天才で、在学中にもアメリカ醫學院でいくつも賞を取ったの。アメリカ病院でも争って引き留めようとしたくらい。若くてハンサムで、私たちの病院全体、いや医学界のアイドルよ。彼に診てもらえるなんて光栄なことだわ。さあ、行きなさい。あなたの小さな千晴がこんなイケメンに診てもらえるなんて、損はないわよ」千尋は彼女を中に押し込むと、ドアをバタンと閉めた。

千晴は本気でこの人が実の姉かどうか疑わしく思った。

「お名前は？」宗佑は彼女の眉間の葛藤に気づいていないかのように、冷静に質問を変えた。

「…千晴…千で、晴…」

千晴は俯いて、彼の字を書く手を見つめた。きれいで清潔で、とても白い手。彼の顔と同じように白くて清潔だった。ただ、万年筆は紙の上でほんの一秒止まってから、優雅に「千晴」の字を書き、そして続けて尋ねた。「どこが具合悪いのですか？」

避けられない質問にまた戻ってきた。千晴は顔を真っ赤にしながらも、幸いマスクをしていたので見えなかった。声だけが乾いた感じで苦しそうだった。「先週、あの、したあと、すぐに番組の撮影で冷たく汚い水に長く浸かっていて、それから…下が、ずっと調子が良くなくて…」

。

宗佑はようやく顔を上げて彼女をじっくり見た。彼の濃くて長いまつげの下に一瞬陰りが過った。千晴は心臓がドキドキと乱れ、彼が自分を桜の友達だと気づくのではないかと恐れた。そうなれば、浮気された怒りを自分にぶつけてくるかもしれない。

しかし今、彼女は桜が言っていた「彼はあの方面がダメ」というのは本当かもしれないと信じ始めていた。

確かに、産婦人科で抜きん出た腕前を持つ男性は、毎日女性の生殖器を見ているわけだ。長くなれば、その方面が不調になったり反応がなくなったりするのは極めて自然で、心が変質しないだけ幸いだよ。

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