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三日目、午前十時、私は時間通りに民政局の入り口に到着した。
林田家の一族は早くから入り口で待ち構えていた。
彼らのこの厳戒態勢の様子を見ると、私が離婚を拒否して彼ら家族全員を巻き込むことを恐れているようだった。
義父はさらに焦って離婚協議書を取り出し、私の前に投げつけた。
「私たちが冷酷だと思わないでくれ。こんなことは誰の身に降りかかっても助けられないんだ。これは白血病だぞ。お前が諦めないなら、この家に迷惑をかけるな。」
義父の真面目くさった顔を見て、私は思わず笑いそうになった。
相変わらずの偽善者だが、もうそれは重要ではない。
協議書の条件は非常に厳しいものだった。林田美咲は晴子の親権を放棄するだけでなく、娘が彼女を「ママ」と呼ぶ権利さえも奪い、私と娘が彼らの家族と完全に縁を切り、二度と連絡を取らないことを要求していた。
私が協議書を読んでいる間、美咲は声を低くして私に言った:
「もし今すぐ晴子を諦めて、輝明を傷つけないなら、もう一度やり直すチャンスをあげてもいいわ。」
私は彼女を平手打ちにしたい衝動を抑え、躊躇することなくペンを取り、離婚協議書にきっぱりと署名した。
数分後。
私と美咲は離婚証明書を受け取り、民政局を出た。
「やっとこの災いの星から解放された!」
「そうよ、あの病弱な晴子もついに出て行ったわ。でなきゃ輝明に接触させるのも怖かったわ。もし病気が輝明にうつったらどうするの?」
「白血病にかかった子供、それも女の子なんて、治療する必要あるの?」
私という重荷をやっと振り払ったと思い、彼らは一族揃って集まり、互いに祝福し合っていた。
しかし彼らの喜びも長くは続かないだろう。
次の瞬間、輝明の診断結果を知らせるショートメッセージが病院から義父の携帯に送られてきた。