장 11: 第１１話

早めに脱出したのが良かったのか、特に追手に見つかる事無くオーウェル邸へと戻ってこれた

取り合えず、ミーナを含めた奴隷達１０名程はリリィに任せ１Ｆの部屋で治療を受けて貰う事にした、ついでに粗末だが食事と寝床も用意してもらった

相手は全て女性という事も有り元気そうなミーナを手伝いに付け、俺はブエル邸から持ち出した本を手に自室へと引きこもり目を通すのだった

（今後、彼女らを救うヒントになる様な事でも書いてれば・・・・）

最初の方は、隷属の紋章についての基礎的な説明であった

§　隷属の紋章付与について

隷属の紋章は、付与する者と同じ種族には付与できない、つまり人族である奴隷商人は、同じ人族には付与する事は出来ないらしい

また、理由は解明されて無いが隷属の紋章は女性にしか付与が出来ない、仮に男性に付与した場合は、全く別の効果を発揮する、紋章により意識を奪われ自我を失って、「狂暴化（バーサーク）」となり暴れ出しやがて死に至ると言う、更には隷属の紋章を強いた側も紋章の力の逆流から狂乱状態となり廃人化する事も確認されている・・・ので、隷属の紋章付与は亜人、しかも女性に限定されるのだ

紋章の付与に必要なスキルは、商人（トレーダー）及び、魔獣使い（テイマー）の職業適性が必要となる

商人の適正は、ギルドや商会などで認定を受ける事が出来れば簡単に適正付与が可能である

また魔獣使いの適正は、養成学校にて修練を積むか魔法の巻物（スクロール）で付与する必要が有る

§　隷属の紋章を付与範囲について

一般的に紋章により隷属化させられる人数は約１０名～２０名とされるが、代々家業としてその力を受け継いている様な家系では、遺伝レベルで能力が蓄積されており、大奴隷商人と呼ばれる人物の中には１００名以上の奴隷と隷属契約を可能にしてる者も居る

§　隷属の紋章の譲渡と権利失効について

隷属契約の主であれば、いつでも隷属契約を解除する事が可能である

しかし、隷属の紋章契約中である奴隷に対し、主の同意無く第三者が勝手に再契約する事は出来ない