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장 6: 第6話

奴隷達が収監されてる回廊の先にある階段を上った所のドアを慎重に開けると、ひらけた部屋に数人の用心棒と思われる男が座り込み酒を飲みながら談笑していた

ここを抜けなければ、この屋敷の主であり奴隷達の隷属主であるブエルの元へは到達出来ない

何か作戦は無いかと思案してると・・・・

「ここはりりィめにお任せください」

いつの間にか背後に控えていたリリィが俺の胸元の前でか屈みながら小声でそう口にする

「どうするつもりだ?あまり手荒な真似をしては、他に居るかも知れない仲間達に気づかれるぞ?」

「お任せ下さい・・・・」

そう言うとリリィは自分の胸の前で、祈る様に手を組むと

「水の精霊達・・・お願い・・・」

そう口にしたリリィの体が一瞬だけ淡く青い光を放つ

「アハハハハ、おい誰か下から見た目の良さげなメス豚を連れて来いよ、ここで裸で酌させようぜ」

「おぉぉ良いねぇ」

「だけど、俺が目をつけた銀髪の猫人族のメスは、お館様が連れて行ったしな・・・」

「あぁ~あのゾクゾクするような、スタイルの良いメスな!確かに良い乳してたぜぇーくぅぅたまんねぇぇ」

「俺も、もう我慢できねぇ!これ飲んだこっちから出向いてメス共で楽しもうぜ!」

「いいねぇ!今日来たメスはあの大奴隷商人オーウェル家の商品だったらしいし、きっと絶品だぜ!」

男どもは、下品な会話と下卑た笑い声をあげグラスに注がれた酒を一気に飲み干した

「よし、それじゃ酒池肉林の中の肉林といきますかぁ・・・・ん?あれ?」

空になったグラスを床に置き立ち上がった男は、急に額を押えふら付いた

「アハハ、なんだもう酔ったのか?・・・うっ!?」

「だらしない、この程度でふら付くとか・・・あれ?」

男たちは、全員が額を押さえ蹲ると・・・・

「なんだ・・・急に眠気・・・が・・・」

「・・・酒が・・・回った・・・か・・・グゥゥゥ」

「グガァァァ・・フゥゥ・・グガァァーー、フゥゥゥ」

ウトウトし始めた用心棒達は蹲ったままの姿勢で寝てしまった

「リリィこれはお前がやったのか?」

「はい・・・水の精霊にお願いして、彼らが飲んでいたお酒を睡眠薬に変えました」

「すごいじゃないか!助かったぞリリィ」

「!?ガーク様!?」

初めて間近で見る精霊術に興奮して、つい勢いでリリィの頭をなでてしまった

「!?わ、悪い・・・嫌だったな」

「!い、いえ・・・そんな事は御座いません!そ、その・・初めてガーク様に褒められて・・・その頭を・・」

リリィは顔を赤くして、俺から顔を背ける

「このタイミングを逃すのは愚行だ、急ごう!」

「え?あ、は、はい!」

リリィの使う精霊術に希望が見えて来た・・・これなら何とかなりそうだ

「今はリリィの精霊術に頼らせてもらうよ」

「は、はい、お任せ下さい!」

俺たちは、深い眠りについている用心棒達の横を注意しながら通り過ぎ、2Fにあがる階段の手すりの陰に隠れながら上を見上げる

「今のところ2Fには、誰も居ない様だ・・・慎重に行こう」

リリィは黙って頷くと、這うように身を屈め俺たちは階段を上った

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・

「・・・いったいどの部屋が、ブエルの部屋だ?」

2Fの踊り場から繋がる部屋は6部屋ほどある・・・迂闊に用心棒等が詰めている部屋に入ってしまっては大騒ぎになり一網打尽だ

「・・・少々お待ち下さい・・・・風の精霊達・・・お願い・・・」

再び胸の前で手を組み祈るリリィ・・今度は緑色に淡く発光する

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ガーク様、あちらの部屋から獣人の女性と男性の気配がします」

リリィが指さしたのは、2Fの踊り場にある一番端の部屋だった

俺はリリィの言葉を信じ、身を屈めつつリリィが指定したドアを少しだけ開ける

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「いつまで、その反抗的な態度が続くのかな?並みの精神力で無い事は解ったが、例の亜人用の特性媚薬もそろそろ効いてきただろ?」

「グゥギィィ...ミーナは賢く誇り高い猫人族の族長、ガーナの娘・・・お前の様な卑怯者に屈しないにゃぁ!」

隙間から除くと、下着姿で両腕をロープで天井に括られた銀髪の猫人族の女性と、ベッドの上で高級そうなシルクのガウンを着た男・・・バザーで俺達にブエルと名乗った奴だ

「成程、ではもう一錠媚薬を使うかな?」

男は手にしたワイングラスをベッド脇にあるテーブルに置くと、横にあった薬瓶を手にし蓋を開けた

「や、やめろ!」

蓋の空いた薬瓶を見た銀髪の猫人族の女性は、恐怖に顔を歪め天井につながれた腕を解こうと必死に藻掻く

「おやおや?口では大層な事を言っていたが、顔が少し火照ってきてるんじゃないか?胸の先もすこし反応してる様だし、股も苦しそうだが?」

ブエルは手した薬瓶の中の錠剤をシャカシャカと音をさせて、銀髪の猫人族の女性へと近づく

「こ、こっちに来るなぁぁ!」

頬を高揚させ、息を荒くしている猫人族の女性は最後の抵抗とばかりに口元の牙を見せブエルを威嚇する

「ほう・・・それはこういう事かな?」

「ひゃぁにゃぁぁぁん!」

天井からつるされた腕を軽くブエルに触れられただけで、艶めいた悲鳴を上げる猫人族の女性は、目を剝いて硬直し痙攣した後力なく項垂れる

「クククク・・・しっかり効いてるじゃないか、良いぞぉ、発情したメスの匂いがする・・・特に此処からな」

ブエルは猫人族の女性の股へと手を伸ばす・・・・・

バッン!!


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