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Capítulo 11: 第11章 深淵級の試練!

一方では。

井上峰雄の案内のもと、斉藤輝は装飾の凝った会議室へと足を踏み入れた。

瑠華に外で待つよう指示すると、輝はドアを押し開けた。

部屋に入るなり、彼の目は主席に座する藍色の人影に引き寄せられた。

城主の夏目聡が恭しく傍らに立っている。

この細部から輝は瞬時に理解した。目の前のこの威厳ある中年の男性は、城主をはるかに上回る地位にあるということを。

夏目は輝が部屋に入るのを見るとすぐに立ち上がり紹介した。

「斉藤君、こちらは南方軍區の総責任者、渡辺深だ!」

渡辺深?!

輝の瞳孔が微かに縮んだ。

その名前は竜夏国で誰もが知る存在だった——君王級御し獣師、南方戰區の要、国家の危機に際して真に頼りになる存在である。

「城主、長官、お初にお目にかかります」

我に返った輝は一礼した。

渡辺は軽く頷き、深遠な眼差しで輝を観察しながら穏やかに言った。

「斉藤君、見習い試練でSSS級の潜在評価を獲得したこと、おめでとう」

「ありがとうございます。しかし長官がお呼びになったのは、別の件があるからでしょう」

夏目が透明人間のように脇に立っているのを見て、輝は理解した。自分に会いたがっていた本当の人物は…

この南方軍區の総責任者、渡辺深に違いない!

ただ彼には理解できなかった。なぜ軍區の総責任者が彼との面会を望んだのか。

確かに試練での彼の活躍は目覚ましかった。

だが成長していない天才は、天才とは言えない。

輝の様子を見て、渡辺の目に称賛の色が浮かんだ。

途中でSSS級評価の知らせを受けたとき、彼の最初の反応は疑いだった。

なにしろ竜夏国で、この級に達する天才は数えるほどしかいない。

臨淵城のような辺境の小さな都市からSSS級評価の天才が出るなど、ほぼ不可能なことだった。

彼はこの天才が何らかの「小細工」でSSS級の評価を得たのだろうと思っていた。

しかし輝の御し獣を目の当たりにした途端、その考えは霧消した。

あの御し獣の身から発する威厳は、明らかに史詩級の範疇を超えている!

伝説級の御し獣を持つ者がSSS級評価を獲得するのは、当然のことだった。

「斉藤君、確かに私はある件でお願いがある」

渡辺はそう言いながら、視線を淡々と夏目に向けた。

城主はすぐに意を汲み取り、恭しく部屋を退出した。しかし心中は激しく動揺していた…

一体どれほどの機密事項なのか、彼のような一城の主すら知る権利がないとは。

ドアが閉まると、渡辺は手を軽く振った。淡い青色の光の壁が水の波紋のように広がり、二人を包み込んだ。

「これは……」輝の瞳孔が縮んだ。

「領域の基本的な応用だ。お前が統領級に昇格すれば自然と扱えるようになる」

「これは主に、我々の会話が外部に漏れないようにするためのものだ」

輝は目の前で波打つエネルギーバリアを見つめ、次第に表情を引き締めた。

君王級御し獣師をここまで慎重にさせ、領域の力を使ってまで外界から隔絶しようとするとは…

並大抵のことではない!

おそらく竜夏国の国運に関わる問題だ!

「斉藤君、君も知っているだろうが、異空間は藍星と融合しつつある別の世界だ」

「各国は異空間に防衛線を構築し、低階御し獣師に安全な修練環境を提供している」

輝は頷いた。その歴史は教科書に記されている。

「だが竜夏国の防衛線建設は他国に後れを取っている」渡辺は突然話題を変えた。「なぜだか分かるか?」

輝は眉をひそめて考えた。「それは……防衛線の構築が順調ではないからですか?」

「その通りだ!!!」

渡辺は虚空に指を動かし、光の地図を描き出した。「3年前、我々は重要な位置に巨大な試練の地を発見した」

光の地図上では、真っ赤な光点が防衛線の枢要な場所にちょうど位置していた。

「通常なら、試練の地の発見は朗報だ」

「だがこの試練の地は、防衛線で最も重要な節点に位置している」

「この試練の地を突破できなければ、防衛線には永遠に隙間が残り、魔族の生物がいつでもこの隙間から侵入してくる可能性がある」

輝はこれを聞いて、思わず渡辺を見上げた。

「でも私にそんなお役に立てるようなことは……」

渡辺は手を上げて遮り、指先で虚空を軽くタップすると、三次元投影が展開された。

投影には試練の地の各区域が明確に表示されており、その大部分が「クリア済み」を表す緑色で示されていた。だが最も中心となる区域だけが、眩しい赤い光で点滅していた。

「他のレベルの試練区域は、我が軍がすべて攻略済みだ」

「ただこの最後の区域だけは——」

彼はその赤い光を指差した。「覚醒五階以下、三人一組での挑戦が求められている」

投影が突然拡大し、その区域の詳細なデータが表示された。

【難度レベル:深淵級】

試練の地は異空間の特殊な秘境で、クリアした者には豊かな報酬が与えられる。

そして難度によって、竜夏国の公式では五つのレベルに分類されていた。

普通、困難、悪夢、地獄、そして最高峰の——深淵!

「私は君に必要としている」渡辺は輝の目をまっすぐ見つめた。「他の二人のSSS級天才と共に、この最終チャレンジを完了し、竜夏国の防衛線構築を助けてほしい!」

これを聞いて、輝はようやく理解した。

なぜ軍區の総責任者が自ら覚醒期の見習い獣使いを探していたのか。

彼がこの情報を消化している間に、渡辺は彼が躊躇しているのだと誤解した。

「確かにこの試練は非常にリスクが高い。だから参加するだけで、南方軍區の宝庫から一つ品物を選ぶ権利がある」

渡辺はそう言いながら、手を上げて空中に光の壁を展開した。

無数の希少材料の幻影が光の壁の中を流れていた。

輝は何気なく見上げたが、その視線は瞬時にある一つの材料に引き寄せられた。

光明結晶?!

しかも一つ丸ごとの光明結晶?!

「渡辺長官!」輝の声がわずかに震えた。「軍區の宝庫に……一つ丸ごとの光明結晶があるのですか?」

彼は瑠華の育成に必要な最初の材料の情報をここで知るとは思わなかった。

渡辺の目に驚きの色が浮かび、指先でその結晶の幻影を拡大した。

「どうやらこのアイテムは君にとって重要なようだな?」

輝はうなずいた。

「よし、試練への参加を承諾してくれれば、成否にかかわらず、これは君のものだ」

「承知しました!」

輝は躊躇なく答えた。

国のために尽くすことなら元々引き受けるつもりだったが、「光明結晶」は予想外の幸運だった。

輝の承諾を得た渡辺も、大きく息をついた。

彼は「軍令状」を提出しており、今年中に防衛線全体を完成させると約束していたのだ。

輝に出会わなければ、今年の任務完了は不可能だと思っていた。

以前にも天才たちを試練に派遣したが、SS潜在力の天才でさえ、半分の進行度も突破できなかった。

そのため彼はSSS級潜在力を持つ天才を竜夏国中で必死に探していたのだ。

ついに、彼は見つけたのだ!!

「時間を無駄にはできない。今すぐ出発しよう。一日の遅れが、防衛線の隙間からより多くの竜夏御し獣師の命を奪うことになる」

……

……


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