Baixar aplicativo
42.3% 二十年の愛を結婚式で断ち切る / Chapter 11: 第11話:理解できない

Capítulo 11: 第11話:理解できない

第11話:理解できない

[冬夜の視点]

冬夜はソファに崩れ落ちた。

カレンダーの黒いバツ印が、まるで自分の心を貫く矢のように見えた。

【別れましょう】

雪音の文字が、何度見ても現実のものとは思えない。

スマートフォンが鳴り続けている。母親からの着信だ。でも、出る気力がない。

「なんで......」

冬夜は頭を抱えた。

「なんで雪音は何も言わずに......」

----

雪音は皇都の研究所で、新しい生活の準備を進めていた。

二年間の研究プログラムへの参加手続きを済ませ、宿舎の部屋で荷物を整理している。

「これで、すべて終わり」

雪音は呟いて、冬夜との写真を最後の一枚まで処分した。

もう振り返らない。

----

[冬夜の視点]

冬夜は雪音が家を出る前の朝を思い出していた。

あの時、雪音はいつもより静かだった。

「おはよう」

雪音の声に、いつもの温かさがなかった。

でも自分は、紅からのメッセージに夢中で気づかなかった。

『検査結果が出た。もう妊娠してる』

紅からのそのメッセージを見た瞬間、冬夜は飛び上がるほど嬉しかった。

「雪音、すごいニュースがあるんだ!」

振り返ると、雪音は朝食の準備をしながら、こちらを見ていた。

「紅が妊娠したんだ!」

雪音の手が止まった。

「そう......よかったわね」

雪音の声は、まるで他人事のように聞こえた。

「病院に付き添いに行ってくる。夕方には帰るから」

冬夜は上着を羽織って、玄関に向かった。

「冬夜」

雪音が声をかけた。

「何?」

「あの......話があるの」

「帰ってからでいいか?紅が待ってるから」

冬夜はそう言って、家を出た。

あの時、雪音が何を話そうとしていたのか。

今になって、冬夜は気づいた。

雪音は、別れの話をしようとしていたのだ。

でも自分は、紅のことしか頭になくて、雪音の話を聞こうともしなかった。

式場の予約がキャンセルされたのも、半月前。

紅の妊娠が分かった、まさにその日だった。

冬夜は立ち上がって、部屋を歩き回った。

「でも、なんで?」

紅は命の恩人だ。六年前、冬夜が交通事故で意識不明になった時、紅が救急車を呼んでくれた。

だから、紅に恩返しをするのは当然のことだ。

雪音だって、それは理解してくれるはずだった。


next chapter
Load failed, please RETRY

Presentes

Presente -- Presente recebido

    Status de energia semanal

    Rank -- Ranking de Poder
    Stone -- Pedra de Poder

    Capítulos de desbloqueio em lote

    Índice

    Opções de exibição

    Fundo

    Fonte

    Tamanho

    Comentários do capítulo

    Escreva uma avaliação Status de leitura: C11
    Falha ao postar. Tente novamente
    • Qualidade de Escrita
    • Estabilidade das atualizações
    • Desenvolvimento de Histórias
    • Design de Personagens
    • Antecedentes do mundo

    O escore total 0.0

    Resenha postada com sucesso! Leia mais resenhas
    Vote com Power Stone
    Rank NO.-- Ranking de Potência
    Stone -- Pedra de Poder
    Denunciar conteúdo impróprio
    Dica de erro

    Denunciar abuso

    Comentários do parágrafo

    Login