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7.69% 二十年の愛を結婚式で断ち切る / Chapter 2: 第2話:崩れ落ちた夢

Capítulo 2: 第2話:崩れ落ちた夢

第2話:崩れ落ちた夢

[雪音の視点]

写真に写っているのは、冬夜と紅が病院の前で手を繋いでいる姿だった。

そして、封筒の底にもう一枚の紙が入っていた。

妊娠検査報告書。

患者名:花咲院紅

妊娠週数:三週

三週。

頭の中で計算が始まる。今日が十月十五日だから、逆算すると......一ヶ月前。

一ヶ月前といえば、冬夜が初めて人工授精の話を持ち出した日だ。

「そんな......」

報告書が手から滑り落ちた。

つまり、冬夜はあの時点で既に紅を妊娠させていたということ?この一ヶ月間、私に同意を求め続けていたのは、自分の行動を正当化するためだけだったの?

膝から力が抜けて、その場にへたり込んだ。

胸は大きな手で締めつけられているように苦しく、息をするのも辛い。

たった二ヶ月前にプロポーズして、来月には結婚式を挙げる予定だったのに。ウェディングドレスも式場も、すべて早めに準備していたのに。私はあの日をずっと楽しみにしていた。冬夜の腕に手を添えて、一緒にバージンロードを歩くあの日を——だけど今、その全ての希望は泡のように消えて、虚空へと消え去ってしまった。

リリリリリ。

携帯の着信音が響いた。

画面を見ると、大学時代の先輩からだった。こんな時に......でも、無視するわけにもいかない。

「はい......」

声がかすれていた。

「雪音ちゃん?どうしたの、声が変よ」

先輩の心配そうな声が聞こえる。

「大丈夫です。何か用事でしょうか」

「実は、前に話した皇都の研究室の件なんだけど......まだ諦めてないのよ。先生があなたの才能をすごく評価してて、どうしても来てほしいって」

皇都の研究室。

以前、先輩から誘われたことがあった。でも、結婚を控えていたから断ったんだ。

「研究期間はどのくらいですか?」

「短ければ一、二ヶ月。長ければ一、二年かな。その間は外部との連絡は基本的に絶たれるけど......どう?」

外部との連絡が絶たれる。

つまり、冬夜とも完全に縁を切れるということ。

「雪音ちゃん?」

「......特別休暇とかは必要ですか?」

「いえ、すぐにでも来てもらえるなら......」

私は壁のカレンダーに目をやった。

十一月一日。結婚式の日に赤いマルが付けられている。

「結婚式の日に向かいます」

「え?結婚式って......」

「はい。その日に皇都へ向かいます」

電話を切って、カレンダーをじっと見つめた。

あと十五日。

二十年以上想い続けた人への気持ちに、終止符を打つまで——


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