田中彰の顔に喜びの表情が浮かんだ。
運がいい。なんと紫色の項目が出たのだ。
その後、彰は三つの項目の効果を確認した。
【消費低減(青)】:この項目を結びつけると、技能の消耗が二十パーセント減少する。
【裝備強化(青)】:この項目を結びつけると、一揃いの装備を一位階昇格させることができる。
【傾国の美(紫)】:この項目を結びつけると、任意の召喚物を女性の召喚物に変え、更に等階を一つ上げることができる。
消費低減の項目は以前にも出現したことがあり、あまり役に立たないので、彰はそれを素通りした。
裝備強化の項目はかなり良いもので、装備一式の位階を直接上げることができ、戦力の向上に大きな役割を果たす。
しかし彰は傾国の美の項目を見た瞬間、迷うことなくそれを選んだ。
彰の職業は亡霊君主に昇格したが、主力はやはり召喚物に頼っている。
召喚物の位階を一つ上げることができる紫色の項目は、間違いなく極上品だ。
後で高位の召喚物に使えば、絶対に得だろう。
だが、彰が選択した後、顔色が変わった。
なんとこの傾国の美の項目には時間制限があり、二十四時間以内に使用しなければならなかったのだ。
ひどい罠だ。選択前には何の提示もなかった。
少し考えて、彰はすぐには使わないことにした。
「もう少し待ってみよう。レベルアップした後に、より高位の召喚物が手に入るかもしれない」
その後、彰は目の前の黒豹大王の死体に視線を移した。
これは青銅級のBOSSクラスの魔物で、落とすアイテムもかなりの量がある。
まずは二十枚の銀貨を懐に収めた。
知っての通り、これは彰が初めて見る銀貨だった。他の魔物を倒した後に落ちるのは全て銅貨だけだった。
そして一枚の銀貨は百枚の銅貨と交換できる。
次に、彰は落ちた数点の装備に目を向けた。
全部で三つあり、それぞれ鎧、腕甲、武器だった。
【黒叢の鎧】
【レベル要求:5級】
【位階:青銅】
【耐久度:40/40】
【防御+30】
【生命値+300】
【黒叢セットの一つ、二つと四つの黒叢装備を集めると、セット属性が活性化する】
...
【黒叢の腕甲】
【レベル要求:5級】
【位階:青銅】
【耐久度:40/40】
【攻撃+40】
【クリティカル率+10%】
【黒叢セットの一つ、二つと四つの黒叢装備を集めると、セット属性が活性化する】
...
【黒叢の戦斧】
【レベル要求:5級】
【位階:青銅】
【耐久度:40/40】
【攻撃+50】
【クリティカル傷害+20%】
【黒叢セットの一つ、二つと四つの黒叢装備を集めると、セット属性が活性化する】
...
予想外にもこの三つの装備は黒叢セットで、しかも残りの三つの部位にぴったり合っていた。
彰は迷わず、これらの三つの装備を既に黒叢のヘルメットを装備している強化された骸骨エリートに与えた。
その後、彰はセット効果を確認した。
【セット効果一:攻撃+100、クリティカル率+20%】
【セット効果二:生命力+2%、三十秒ごとに2%の生命値を回復する】
二つのセット効果はどちらも極上品だった。
最初のセット効果は直接百点の攻撃力と20%のクリティカル率を加え、恐るべき効果だ。
二つ目のセット効果はパーセンテージで生命値を増加させ、さらに生命回復効果もある高級なものだ。
二つ目のセット効果だけでも、この青銅級のセット装備はかなり先まで使えるだろう。
少なくとも十数レベルは遅れをとることはないだろう。
しかし、彰が最も驚いたのは、この黒豹大王がなんと技能書も落としたことだった。
彰は前に進み、素早くその技能書を拾い上げた。
【豬突猛進】
【位階:D級】
【使用すると、戦士系技能「豬突猛進」を取得できる】
【注:戦士系職業のみ使用可能】
残念ながら、亡霊系の技能書ではなかった。
しかし、それでも悪くない。結局D級の技能書なのだから。
現在、全てのプレイヤーが万界ゲーム世界に入ったばかりで、装備はとても不足している。技能書に至ってはなおさらだ!
しかもD級の技能書となれば、絶対に良い値段で売れるだろう。
カバンに収めた後、彰はダンジョンを出たらすぐに売ることにした。早めに手放せば、値段はより高くなるだろう。
戦場を片付けた後、彰はさらに奥へと進んだ。
レベルアップ後、彰の戦闘力はさらに増加した。彰はレベルアップで得た自由属性点と報酬の自由属性点を全て精神に振り分けたのだ。
さらに四次元属性が各二ポイント上がったことで、彰の精神属性は直接83ポイントになった。
召喚した骸骨エリートの属性も再度向上した。
もちろん、これには彰が新しい骸骨エリートを召喚して交代させる必要があった。
前方の魔物はさらに強力になり、基本的に七級以下の魔物はもういなくなり、統領級別の魔物が出現し始めた。
統領級別の魔物はBOSS級別の魔物の次に位置し、戦闘力はかなり強力だ。
もちろん、彰の骸骨エリート軍団に対しては青銅級BOSSでも無力なのだから、統領級別の魔物など問題ではない。
そんな時、突然機械的な音声が響いた。
【ディン~プレイヤー小川裕恒が全体公告:みなさん、これから公会を設立します。上位プレイヤーの参加を期待しています。話は簡単に、私の天賦能力を張っておきます。】
以下は小川裕恒が公開した自身の天賦能力だ。
【天賦能力:覇権】
【等級:S級】
【才能効果:あなたはいかなる条件も満たす必要なく、直接プレイヤー公会を設立することができ、公会メンバーは10%の経験値ボーナスを得られる。公会設立後、あなた自身は20%の経験値ボーナスを得られる。】
この公告が出るとすぐに大きな波紋を呼び、大勢のプレイヤーが小川裕恒の公会への加入を懇願し始めた。
10%の経験値アップは、大多数のプレイヤーにとって大きな誘惑だったからだ。
レベルアップがあまりにも難しいのだから!
彰でさえ心が動いた。
地獄級の難易度を選び、あれほど多くのエリート魔物を倒し、さらに青銅級のBOSSまで倒したにもかかわらず、やっと六級になったところだ。
いかにレベルアップが困難かが想像できるだろう。
10%の経験値ボーナスは、プレイヤーにとって極めて大きな誘惑だ。
しかし彰はこの小川裕恒がこのような公告を出したのは、確実にトップクラスのプレイヤーを集めるためだということも理解していた。
最も重要なのは、彼がこの経験値をただで与えるわけがないということだ。公会に加入するには、おそらく多くの制約や条件が設けられているだろう。
また、万界には公会への加入が非常に厳粛な問題となる世界もある。
加入すると、一つの勢力組織に参加したようなもので、脱退するのも非常に面倒なことになる。
だから公会への加入は慎重にすべきだ。
「今の私のレベルアップ速度も悪くない。この混乱に巻き込まれる必要はない」
彰はすぐに心の中の動揺を抑え、レベルアップに集中し続けた。
十分後、彰はゴブリン弓兵統領を倒し、一冊の技能書を入手した。
亡霊系の技能書だった!