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「和子、やっと目が覚めたのね。もし目が覚めなかったら、私どうすればいいか分からなかったわ」
再び目を開けると、白い服を着た柳田雪乃の姿が目に入った。
私は溺れた時の過去に転生していたのだ。
私は攻略者で、攻略対象は反逆者の廃太子、藤原修だった。
今上陛下は薄情な人物で、先皇后の一族を利用し尽くすと、彼らを流刑に処した。
先皇后が産んだ唯一の息子までも廃位され、御所の中の哀れな存在となった。
原作では、廃太子は陰鬱で残忍な性格で、目的のためには手段を選ばず、人命を蟻のように扱った。
主人公に多くの困難をもたらし、最後は五馬分屍の刑に処された!
そして私は、交通事故がきっかけでシステムと契約することになった。
システムは、廃太子を攻略できれば生き残れると言った!
だから私は主人公を殺し、一歩一歩廃太子が帝位に就くのを助け、その過程で真心を捧げた。
私も以前は、自分の本心を守ろうと思っていた。
でも彼は私のために刃を受け、十年一日のように私のために料理を作り、皆の前で私を守ってくれた。
私の全ての趣味を知り、毎年の祝日には心のこもった贈り物をくれた。
そうして、彼の愛の告白を一度また一度と聞くうちに、私も意識的に彼の愛に溺れていった。
最後に、彼は帝位に就き、私の攻略値は満点に達した。
彼は私を皇后にはしなかった。一生涯二人だけで過ごしたいと言い、大臣たちに私の悪口を言わせたくないからだと。
結局、もし私が皇后の位に就いて、側室を許さなければ、大臣たちは必ず私を嫉妬深いと非難するだろうから!
しかし今になって分かった。彼は皇后の座を柳田雪乃のために空けておいたのだ。
もし私の死体の上を踏み越えなければならないのでなければ、この感動的な恋物語を心から称賛したいところだ。