柳田雪乃は巻物に描かれた秀才を見つめ、顔を赤らめた。
【伯母様のおっしゃる通りです。親の命令と媒酌人の言葉に従います。】
【伯母様は実の母ではありませんが、私はもう皆様を実の両親として思っております。】
母は大変喜び、真剣に柳田雪乃の婿選びを始めた。
柳田雪乃は表面上は恥じらいを見せていたが、私には彼女が焦り始めているのが分かっていた。
夜になって、母がこの件について父と相談し、二人はすぐに数人の候補者を決めた。
この数人は、父の官途にとって有利な人物たちだった。
私は何も言わず、夜になって柳田雪乃の屋敷に向かった。
扉の向こうから、言い表せないような音が聞こえてきた。
息遣いが収まった後、ようやく本題に入った。
【安心しろ。私が天皇になったら、皇后の座は必ずお前のものだ。】
柳田雪乃は泣きそうな表情を浮かべた。
【藤原お兄様、私はもちろんあなたを信じています。でも今、鈴木家が私利私欲のために私に婿を選ぼうとしています。私はどうすればいいのでしょう?】
藤原修の言葉には怒りが含まれており、佐藤家に不満を抱いていた。
しかし今は軽々しく佐藤家と対立するわけにもいかない。まだ鈴木家を通じて国庫から銀両を引き出す必要があったのだ。
【もう少しの辛抱だ。もうすぐだ!】
柳田雪乃は不満げだった。
【藤原お兄様、皇后様のもとでお過ごしは如何ですか?】
柳田雪乃はある程度の賢さがあり、桜井氏が銀両を出してくれないのかと直接は聞かなかった。
皇后の話を聞いて、藤原修の顔に一瞬複雑な表情が浮かんだ。
【名家の認めを得るのは、そう簡単なことではない。】
私は扉の外でこれらの会話を聞いていた。
突然、足音が聞こえてきたので、私はすぐに隣の薪小屋に身を隠した。
柳田雪乃は扉を開けて外を確認し、誰もいないのを見て中に戻った。
そして私は、刺客に遭遇したのだ!