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私の言葉を聞いて、庭の門にいた近所の人たちは一瞬にして青ざめ、中には怖くなって家に逃げ帰る臆病な人もいた。
だがこの親戚の一団は、まったく取り合わない顔をしていた。
長兄は地面に痰を吐き捨てた。
「伝染病?冗談じゃねえ!」
「村中でお前だけが学校行ったからって?お前が伝染病だって言えば伝染病なのか?俺から見りゃ、俺たちを怖がらせて追い払った後で、財産を独り占めする気だろ!」
「あの死んだ爺さんは生前この野良犬にばっかり優しかった。きっと金は全部こいつが持ってるんだ」
「そうだ、この雑種野郎は絶対嘘ついてる。爺さんはこいつを医学部にまで行かせたんだ。金がないわけがない!」
長兄の言葉に、私は怒りで体中が震えた!
彼こそ、そんなことを言う資格が一番ない人間だ!
長兄は村で有名なごろつきで、何も学ばず、何の技術も持たない。数年前、仲間を集めて集団暴行事件を起こし、相手に重傷を負わせた。
被害者家族の許しを得るため、年老いた祖父は弱った体で相手に土下座し、さらに持っていたわずか十畝の土地を売り払って、彼の賠償金を工面した。
しかし恩を仇で返す彼は、反省せず、相変わらず好き勝手に振る舞い、祖父の毎月百元の年金さえも見逃さず、入金された当日にこっそり持ち去っていた。
そして祖父が私の学費のために用意したお金は、早朝から夜遅くまでペットボトルを一本一本拾い集めて得たものだった。
時には少しでも多く集めるために、町の食堂の前で座り込み、飲み終わったペットボトルをくれるよう、頭を下げて頼んでいた。
そのために、どれだけの白い目で見られたことか。
しかし彼らの目には、祖父はきっとまだかなりの貯金を持っているように映っていた!
この獣にも劣る親戚たちを見ていると、恨みが野火のように私の胸の中で広がっていく!
彼らには早く死んでほしいと思わずにはいられなかった!
しかし祖父の体内のウイルスが、いつ肉体を突き破って拡散する可能性があるかと考えると、焦りで胸が張り裂けそうになった!
そうなれば、村全体、さらには町までもが猛烈な伝染病の影響を受け、その結果は想像を絶するものになる!
私は目に涙を浮かべながら、彼らに向かって怒鳴った:
「祖父は本当に猛烈な伝染病にかかっているの!もし早く火葬しなければ、私たちは皆死ぬわ!私の言葉を信じないなら、自分で疾病管理センターに聞いてみて!」
私は彼らの目の前で、疾病管理センターに電話をかけた。
この言葉を聞いて、親戚たちの顔色が少し悪くなった。
しかし彼らは祖父が本当にお金を持っていないことも、私が言った伝染病のことも信じなかった。
これは私が祖父の遺産を独り占めするために作り上げた言い訳だと思っていた。
次の瞬間、私の携帯電話は長兄に叩き飛ばされた!
石に当たって、画面は一瞬で粉々になった!
切断された通話を見て、無力感が私の心に押し寄せた。
「伝染病なんてでたらめで俺たちを騙すな!」
「遺産を分けてもらえるなら!たとえ本当に病気があっても、俺たちは怖くないぞ!」
そう言いながら、彼は私を突き飛ばし、親戚たちと一緒に、祖父の古ぼけた家の中を引っ掻き回し始めた。
私は地面に倒れたまま、祖父の遺体を一瞥した時、心臓が一瞬止まりそうになった!
彼の手に突然現れた水疱状の死斑を見て、これが死体変化の前兆だとすぐに気づいた!
こんなに短い時間で、遺体はすでに腐敗の兆候を見せ始めていた!
ウイルスの進化速度は私の想像をはるかに超えていた!
今すぐ火葬しなければ、死気がウイルスを運び出した時、皆死ぬことになる。