転生した姫様が強すぎる

丞相府の花家には、青みがかった灰色の瞳を持つがために「不吉」とされる者がいた。
十八年後――花家に見捨てられ別荘へ送られたその「不吉」は、黒猫を一匹連れて劇的に帰還した。
彼女はまず、姫として封ぜられ、帝の称号を賜った。
次いで、何世紀にもわたって続いてきた皇朝の女性の政治参加禁止を破り、朝廷にも民間にも大きな衝撃を与えた。
その「不吉」は、自身の誕生日に百鳥と梵鐘の祝福を受け、壮麗な光景を作り出した。
普段は高慢な黒無常さえも、帝鴛姫を「様」と敬って仕えるのを、彼は目の当たりにした。
彼はこれから先二度と帝鴛姫を怒らせないと心に誓った。
大臣たちは、陛下が兵たちとともに宴を催すことに異議を唱える勇気はなかった。なぜならそこに帝鴛姫がいたからだ。帝鴛姫は天に逆らい地に逆らうほどの存在で、彼らを打ち負かすことなど朝飯前のことに思えた。彼らはただおとなしく自分の膳に向かうしかなかった。
実は、すでに多くの者が彼女の側に集まっていた。
朝の光のように温かいあの人は、最後まで彼女と歩みを共にするだろう。