お嬢様は腰が細くて気まぐれ、木村様はすっかり夢中に！

「木村夫人、ご主人は心身ともに健康で、今のところ別居のご予定はありません」
クズ男と実の妹に裏切られた橋本愛子は、すぐさま別の男性と結婚した。
それ以来、甘やかされて好き放題。
「旦那様、奥様があなたの初恋を病院送りにしました。病院へ向かわれますか？それとも警察署へ奥様を迎えに行かれますか？」
木村和真はまぶたを軽く上げて言った。「また迎えに行くのか？」
「旦那様、奥様が元夫の兄の会社を潰してしまい、助けを求めています」
和真は眉をひそめた。「元夫の兄？もう一度聞かせて」
「旦那様……」
和真は勢いよく立ち上がり、まっすぐ家へと向かった。
彼の若妻は、しっかり躾けが必要だ。本当に必要だ！
だがその夜、痛めつけられて動けなくなったのは彼の方だった。
彼女を抱きしめてなだめながら言った。「いい子にしてくれ。どんな大事でも俺が何とかする。お願いだから逃げないでくれ」
「あなたが愛してるのは私じゃないのに、だったら、逃げたって当然でしょ」
「誰が愛してないって言ったんだよ。俺はお前のこと、死ぬほど愛してるんだよ！」
野村拓也は愛子が人を殴る様子についてこう評価した。「脚が長くて、腰が細い」
そりゃあ木村様が溺愛するのも無理はない。
愛子は甘え上手で、木村様は魂が抜けそうになる。