魔法ダメージの計算は実際それほど難しくない。
もし将来の上級ステータスを考慮に入れなければ。
見習い段階の魔法が与えるダメージは、主に2点だけを見ればいい。
ひとつは魔法の基礎ダメージ、もうひとつは知力がもたらす加算効果だ。
もしファイアボールを引き当てたLv1プレイヤーが、自由ステータスポイント2点を全て知力に振った場合。
ファイアボールの基礎ダメージ7点に、3点の知力が変換された3点の魔法ダメージが加わる。
Lv1のファイアボールは10点のダメージを与えることになる。
小悪魔のファイアアローは、発射速度が速すぎるせいで。
基礎ダメージはわずか5点しかない。
悪魔種族の炎への親和性により、基礎ダメージが40%上昇するため。
ファイアアローの基礎ダメージは7点に達している。
つまり、小悪魔の知力ステータスが9点に達しているということだ!
「Lv1の小悪魔のステータスがそんなに高いはずがない」
田中彰は明確に知っていた、Lv1小悪魔の知力は最大でも3、4点程度だと。
それも体質と力量の弱さによるものだった。
「ということは、少なくとも5点の知力ステータスの出所が不明だ」
彰は少し考えてから、ある可能性を見つけた。
召喚術で召喚された怪物は、当然ながら元のものと同じ強さであるはずがない。
以前、仲間だった召喚士が彼に言っていたことを思い出した。
召喚士職業による召喚物強化効果がなければ、召喚された怪物は召喚者の20%のステータス強化しか得られないと。
「でも俺の知力は5点しかないから、20%のステータス強化でも知力は1点増えるだけだ」
彰は考え込んだ。「もしかして、この20%のステータス強化は単一のステータスではなく、全てのステータスの合計を指しているのかもしれない」
彼は現在全ステータス+5で、総ステータスは25点だ。
20%となると、5ステータスポイントになる。
もしその5ステータスポイントが全て小悪魔の知力に加算されるなら、辻褄が合う。
だが、この5ポイントが全て知力に振り分けられるとは?
それはちょっと賢すぎる気がする。
彰は前世では死兵戦士に過ぎず、詠唱者の知識に詳しくなかった。
彼自身もこれが一体どういうことなのか明確にはわからなかった。
しかしこの可能性が最も高いと思われるので、おそらく間違いないだろう。
「だとすれば、将来の進路として召喚士系を選択するのが最も利益が大きいかもしれない」
彰はしばらく考えてから、ふと思いついた。
召喚士はより多くのステータスパーセンテージ強化をもたらすだけでなく。
もし軍団指揮官のような大量の部下を召喚できる職業に転職できれば。
自分一人で一つの軍団に相当するのではないか?
彼は首を振った。今はそんなことを考える時ではない。
粉々になった骨の場所から二つの光が上がっていた。
敵を倒した後のアイテムドロップだ。
彰はこれにかなり驚いた。
「こんな低レベルの敵からもアイテムがドロップするのか?」
前世では、こんな最低レベルの雑魚を少なくとも数千体は倒したはずだ。
アイテムのドロップ数は片手で数えられるほどしかなかった。
ダークゲームでは敵を倒して良いアイテムをドロップさせたいなら、危険なボスを探すしかない。
他の一般的な小型モンスターは、基本的に素材や低級装備しかドロップしない。
しかもその確率も恐ろしく低い。
彰は前に進み、手を伸ばして二つのアイテムを拾い上げた。
【粗悪な骨】:素材
【小型治癒ポーション】:使用すると即座にHPを50点回復する。
手の中のアイテムを見て、運は悪くなかった。
粗悪な骨は後で白骨のエッセンスを抽出でき、スケルトン系モンスターの召喚強度を上げることができる。
他の素材と合成して装備を作ることもできる。
しかし彰は自分の手の中にある前腕ほどの大きさの素材を見て、そのまま脇に投げ捨てた。
価値がないわけではなく、今は持ち運ぶ方法がないからだ。
プレイヤーがダークゲームに入る時、空間アイテムのような新人特典は一切ない。
そういうものが欲しければ、ボスに要求するしかない!
彰は軽くため息をつき、親指大の小型治癒ポーションを手のひらに握った。
これこそが本当に良いもので、持っていれば安心だ。
直接HPを回復できるポーションは、ゲーム序盤では非常に貴重なものだ。
これはほとんど二度目の命に等しい。
彰は周囲を見回し、また骨の山を見つけて近づいていった。
今回は相手を挑発する気分ではなかった。
小悪魔に直接骨の山に向かってファイアアローを放たせた。
小悪魔は悪魔語でぶつぶつ言いながら、前方の骨の山に向かってファイアアローを放った。
炎が骨の上で炸裂し、骨が素早くうごめく中、炎の威力はさらに恐ろしいものとなった。
無防備なバラバラ状態で、腐骨スケルトンが直接ファイアアローに命中し、必然的にクリティカル状態になる。
魔法クリティカルは150%のダメージを与える。
24点のHPが、このファイアアロー一発で吹き飛んだ。
1秒後、2発目のファイアアローが影のように続き、まだ完全に形成されていないスケルトンを粉砕した。
彰は再び光を放つ骨の破片を見て、少し嬉しそうに歩いていった。
やはり粗悪な骨だったが、こんなに簡単に経験値を得られるのは、多くのプレイヤーが夢見ることだろう。
Lv5まで、小悪魔は神のような存在だ。
彰には、毎秒十数ポイントのダメージを与える小悪魔に対抗できる敵が想像できなかった。
しかし小悪魔の弱点も明らかだった。
というか、この段階の詠唱者はみな同じ弱点を持っている。
それは魔力ポイントの不足だ。
小悪魔には約90点の魔力ポイントがあり、ファイアアロー一発の魔力消費は5点だ。
つまり、合計でも18回しかファイアアローを発射できない。
魔法の発動は気持ちいいが、回復はやや面倒だ。
彰は小悪魔の魔力回復が具体的にどうなっているのかはっきりとはわからなかった。
しかし観察したところ、10秒回復のルールで見ると、ファイアアロー一発分の魔力は回復できないようだった。
通常なら、彰は完全に小悪魔に敵を倒させた後、少し待って魔力を回復させることができる。
これが安全なペースで、継続的に循環できる最も便利なリズムだ。
しかし彰には今、「命がけ」による幸運が残っている。そのような行動は彼の命を無駄にするだけだ。
彼はスーパーラッキーがまだ続いている間に、できるだけ多くの敵を倒し、自分に合ったアイテムをドロップさせる必要がある。
だから彰は小悪魔に魔力を回復する時間を与えることはできない。
そのため、彼にはただひとつの方法しかなかった。
小悪魔が敵を殺し、自分は脇に隠れて魔力を回復する。
そして彰自身が直接スケルトンと戦うのだ。
魔術師見習いではあるが、かつて人間プレイヤーの中で名高い上級者として。
粗悪なレベルとしか言えないこれらの敵の前では、まだまだ自信があった。
しかも彼のステータスから見れば、Lv7〜8の戦士でさえ彼より高いとは限らない。
「さあ来い、戦いとは何かを教えてやる!」
彰は白骨の山に突進し、手に持った見習いの短杖を振り下ろした。