名門の長谷夫人になったら、最強になってました

安藤綾――吉田王朝で名を馳せた女将軍。
昏君を討ち、奸臣を斬り、「地獄の女閻羅」と恐れられた最強の女。
そんな彼女が気づけば異世界の名門・長谷家の「影の薄い長谷夫人」に転生していた！？
目を開けた瞬間、夫は行方不明、家産は奪われる寸前という修羅場。
長谷家一同：「安藤綾、お前の終わりだ。家産を渡せば、安心して未亡人として生きられるだろう。」
安藤綾：「……は？ 誰が未亡人になるって？」
＊＊＊
やがて――
早く帰還した長谷家当主が見たのは、妻の周りで必死に媚びを売る親族たちの姿だった。
自閉症だった五弟はテック界の大物となり、全ての発明品に「義姉の名前」を冠するようになり、
交通事故で心を閉ざしていた甥は天才少年として名を馳せ、各界から引っ張りだこ。
かつて夫と敵対していた財閥の男たちも、今やSNSで「安藤綾、勇気を持って飛べ！俺たちは永遠に推す！」と応援合戦。
長谷社長は静かに笑みを浮かべる。
「雨の滴が、青い芝を叩く音が聞こえる……」
――かつて「修羅」と呼ばれた女、今世では「名門の最強妻」。
これは、豪門を翻弄し愛に勝る“無双夫人”の逆転ストーリー。