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บท 10: 10

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あの日以来、河野霞は二度と私を訪ねてこなかった。

後になって知ったことだが、彼女は自宅で練炭自殺をしていた。

その知らせを聞いたとき、私は「ああ」と一言つぶやいただけで、何の感情も動かなかった。

自分の愚かな偏愛のせいで楽子を死なせたのだから、これは彼女が受けるべき報いだった。

霞は自殺する前に遺言を残し、彼女名義のすべての財産を私に譲っていた。

私はその金で希望小学校を設立した。

目の前で元気に走り回る子どもたちを見ていると、まるで楽子がまだいた頃の時間に戻ったような気がする。

私は楽子の写真を教室の空き机に貼り、その席は彼女のためだけに空けておいた。

時々、私がその机の横に座って涙を流しぼんやりしていると、子どもたちは思いやりを持って私と話をしてくれる。

彼らは楽子の写真に向かって話しかけ、教科書で学んだ知識を教えたり、学校での楽しい時間や外で見聞きしたことを話したりする。

時には、彼らがつま先立ちして、一生懸命に私の頭を撫でて慰めてくれることもある。

「おじさん、楽子ちゃんはあなたみたいなお父さんがいて、きっと天国で幸せだよ」

「悲しまないで、おじさん。楽子ちゃんはきっと天国からあなたを見守っているよ。あなたが悲しむと、彼女はもっと心配するよ」

「おじさん、あなたが望むなら、私たちみんなあなたの子どもになりたいよ。私たちみんな『楽子』になれるよ」

目の前にいるたくさんの「楽子」を見て、私は涙の中から笑顔を見せた。

そうだ、これからの日々はまだ長い。

いつか、私と楽子がまた出会える機会があると信じている。


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