そして。
渡辺水紀はこの美形好みの霊獣を自分の宮殿で飼うことにした……
普段、修は穏やかで、鳴き声も非常に心地よかった。
しかし。
水紀が少し近づき、
手を伸ばして優しく撫でようとすると……
いつも軽蔑したような顔つきで顔を上げられた。
さらには、鋭い爪を見せて彼女の手を払いのけることもあった。
水紀は少し傷ついた。
……どうして猫一匹でさえこんなに懐きにくいのだろう?
そこで、彼女は魚を捕まえて機嫌を取ろうと考えた。
久美は一瞬身震いした。
「お嬢様、冷静になってください……この砂都に湖なんてありませんよ……生きた魚なんてもう長いこと見ていません」
蘭樓古都は、長い間砂漠と化していた。
そこで。
水紀は何か思いついたように、首を傾げた。
「久美、でもあなたは錦鯉でしょう……」
久美はようやく察した。
絶望して大泣きした。「うわー、お嬢様!命だけはお助けを!」
その瞬間、水紀はひらめいた。
砂都で一番豊富な羊肉、猫はきっと好きに違いない……
ちょうど高橋浩から盗んできた羊のあばら肉が役に立ちそうだ。
そして。
息を切らしながら美味しそうな料理を持ってきた……
彼女の熱心さに、修は自ら「ニャー」と低く鳴いた。
今回はついに少し進展があった。
しかし、彼女は何かに気づいた。
修の異瞳の中に、何か軽蔑の色が見えたような……
ただ、その侮蔑的な眼差しは一瞬で過ぎ去った。
まるで彼女の錯覚のようだった。
彼が慎重に一口味わってみると……
途端に、目つきまで変わり、まるで「美味い」と言っているようだった。
水紀はこの機会を逃さなかった。
思い切って、彼の白い毛並みに触れてみた……
想像通りの暖かさで、それに、心地よかった。
羊のあばら肉を食べ終えると、
修は物憂げに目を細め、水紀が近づくのを許した。
やがて、彼女の優しい動きに合わせて、彼は床に伏せて……
喉から「ゴロゴロ」という音を出し始めた。
水紀は大喜びだった。
ついには彼を自分の腕に抱き上げた。
時が流れるうちに、いつの間にか彼女も目を閉じていた……
朝の柔らかな光が窓の隙間から差し込んでくる。
水紀はゆっくりと黒檀の瞳を開いた。
しかし、幻を見ているのかと思った……
水紀は一瞬凍りついた。