บท 6: 第6章

私が死んだ後。

親友が病院に現れた。

生前に最後に送ったメッセージで、私のために最後のひとつのことを頼んでいた。

長谷川隼人は魂を抜かれた人形のようで、目は虚ろで、髭は伸び放題、一晩で十数歳も老けたかのようだった。彼は自分を弁明しようとしたが、何も言葉にできなかった。

親友が私の遺言通りに火葬場へ連れて行こうとした時、隼人の表情にようやく変化が現れ、腫れぼったい目が赤くなった。

「頼む、そうしないでくれ！」

親友の目には絶望の色しかなく、涙をこらえながら隼人の頬を平手打ちした。「あなたが茉奈を殺したのよ。人殺し、悲しむ資格なんてあるの？！」

「別の女を抱いて、他人の胸に寄り添って、あなたの子供の面倒を見て、茉奈のことを気にかけたことがあった？今さら人が亡くなって深い情を装って、誰に見せるの？」

隼人は魂が抜けたように、胸を押さえて地面に跪いて泣き崩れた。

かつて深く愛した男。彼があんなに苦しんでいるのを見ても、私の心はまったく揺らがないことに気づいた。彼が鈴木寧々をかばって「我慢して」と言った時から、私の心はとうに死に絶えていたのだ。

「もし本当に茉奈を愛していたなら、彼女のために葬儀を執り行ってあげて」

私の葬儀は豪華に執り行われた。隼人は私に十分な体裁を与え、妻の名義で埋葬してくれた。長谷川家に取り入ろうとする親戚や友人たちは、偽善的に弔問に来ていた。

お義母さんの顔色が最も悪かった。「息子が生まれたばかりなのに、彼女のために葬儀なんて、縁起でもないわ！！」

彼女は縁起が悪いと言って、孫も連れてこなかった。

寧々はとても寛大で、出産後の体が弱っているにもかかわらず、葬儀に出席することを強行した。青白い顔色はまるでいつ倒れてもおかしくないようだったが、それでも彼女は必死に私のために発言した。

「お母さん、茉奈さんはもういないのですから、隼人さんが最後のお別れをしたいなら、そうさせてあげてください」

彼女は本当に優しく思いやりがあるように見えた。見るものは誰もが彼女を賢淑と褒めずにはいられなかっただろう。

隼人は寧々の手を振り払い、怒りを抑えながら言った。「二人とも出て行け。茉奈はお前たちに会いたくないはずだ」