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บท 6: 6

06

機内放送では飛行機がまもなく離陸するというアナウンスが繰り返し流れていた。

私は携帯の振動を無視し、林川美流の連絡先を削除してから電源を切った。

この瞬間から、美流と私の間には何の関係もない。

病院にて。

美流は私のメッセージを見た後、狂ったように返信を送ってきたが、彼女が受け取ったのは真っ赤な感嘆符だけだった。

そして彼女は何度も私に電話をかけ続けた。

「お客様のお電話は電源が入っておりません。」

「お客様のお電話は電源が入っておりません……」

電話の向こうからは携帯の電源が切れているというメッセージが繰り返し流れていたが、美流はまるで聞こえていないかのように、何度も何度も力を込めて携帯の画面を押し続けた。

「ありえない……ありえないわ。」

「昨日までは何も問題なかったのに、婚姻届を出しに行くって言ったばかりなのに。」

携帯を見つめる彼女は完全に放心状態だった。

数分後、彼女はようやく病院を飛び出し、車で一目散に空港へ向かった。

「夏目部長、山本光明は今日フライト任務があるはずじゃないですか?どうして辞職して、しかもパリに行ったんですか?一体何が起きているんですか!」

客室乗務員センターで、彼女は入るなり私の上司の手を掴み、焦りながら尋ねた。

部長は困惑した表情で美流を見つめた。「光明から聞いてないの?おととい、あなたの祝賀会の後に彼は辞表を出したんだよ。あなたが知っているかどうか彼に聞いたら、その晩に話すと言っていたけど。」

この言葉に、美流は雷に打たれたかのように、その場に立ち尽くした。

彼女はようやく思い出した。おととい夜、彼女は家に帰らなかった。

昨日の昼も、ただ贈り物を取りに帰っただけですぐに出て行った。

そして昨夜も、家に戻ってわずか数分後に渡辺晴彦から電話を受け、すぐに家を出た。

この二日間、彼女は私が話しかける時間さえ与えなかった。

この二日間、彼女はずっと晴彦のそばにいたのだ。


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