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บท 6: 第6章

狂気は役に立つものだ。

慕容端は怒り心頭で私に会いに来た。

彼は歯を食いしばった。

「宋沐!お前は一体何がしたいんだ?」

私は片手で顎を支え、慕容端の目をじっと見つめ、突然笑い出した。

私が思い込みすぎていたのだ。皇女である私が、命の恩人に出会ったらどうするだろうか?

相手の身分に相応しい褒美を与えるか、あるいは相手の身分を上げてやるか。

それで十分だ。

なぜ私は慕容端を馬鹿にする必要があったのだろう?

「あなたを救ったのが宋沐ではなく、百里櫻だと確信していますね」

私は衝撃的な言葉を突然口にした。疑問形ではなく、断定的な口調で。

慕容端は凍りついた。

彼の体は石のように固まり、これほど多くの情報を含んだ一言が、私の口から率直に語られるとは全く予想していなかった。

彼の最初の反応は、なんと……

「何を言っているのか分からない!」

「本王」という自称すら使わなかった。

私は肩をすくめた——付け加えると、私の国、つまり鳳臨朝にも礼儀作法の教えはあるが、私は異端児だった。

「その言葉、あなた自身が信じていますか?」

私は首を振って笑った。この軽蔑的な態度は慕容端の怒りを煽った。

「宋沐、そんな怪しげな芝居はやめろ。それに、本王は百里櫻など知らない。白盈盈しかいない」

「こんなことで本王を呼び出すとは、あまりにも馬鹿げている。お前を離縁するぞと言われても怖くないのか?」

宋沐なら確かに怖がるだろう。

しかし残念ながら、私は宋沐ではない。

「宋沐は怖がるでしょうね。きっとそうでしょう。でも残念ながら、私は宋沐ではありません。王様にはもうお分かりでしょう?」

私の心の中で考えていることを、そのまま口に出した。

しかし、私が突然テーブルをひっくり返すように話を変えたことは、慕容端の予想外だった。

彼は慌てて私の視線を避けたが、私は構わず彼に真実を突きつけようとした。

「密かに宋沐を守っていたのは、あなたですよね?」

「宋婉を栄王様の前に引き合わせたのも、あなたでしょう?」

「世間は端王様と栄王様が水と油の関係だと思っていますが、実は二人が早くから同盟を結び、固い絆で結ばれていることは誰も知りません」

「端王殿下は大きな一手を打ちましたね。でも、碁盤の中の人が入れ替わるとは、想定内でしたか?」


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