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บท 6: 6章

「篠原景吾、版権を返してください」

私の声は冷たく、一片の温もりもなかった。

「あなたと契約するなんて、一度も言ってないわ」

彼は私の目に宿る決意に押されたのか、眉をひそめ、怒りかけたが、視界の端でピアノの上に並ぶオルゴールに気づいた。

それは彼が以前、次々と私にくれたもので、どれも私が作った曲が入っていた。

彼はすぐに安堵の表情を浮かべ、自信に満ちた笑みが再び顔に戻った。

「星蘭、君が気分を悪くして、僕に当たっているのはわかるよ...」

「でも君の心の中には僕がいるんだ...そうでなければ、なぜ僕からのプレゼントをまだ持っているんだい?」

彼の確信に満ちた視線の中、私はゆっくりとピアノに向かった。

そして、何気なくオルゴールの一つを手に取り、腕を高く上げ、躊躇うことなく窓の外へ投げつけた。

「加藤星蘭、何をする!」

「ガシャン—」

鮮やかな砕ける音は、響き渡る平手打ちのように、篠原景吾の顔にたたきつけた。

私は止まらなかった。

二つ目、三つ目...

次々と響く「ガシャン」という音が、彼と私の間の、最も決定的な鎮魂歌を奏でた。

「加藤星蘭!俺がプレゼントしたものをそんなに大事にしないのか?」

彼は激怒して叫び、最後に「いい」を三回繰り返して、ドアを乱暴に閉めて出て行った。

スタジオの中は静寂に戻った。

私はぼんやりとピアノの前に崩れ落ち、顔の涙を無言で拭った。

この涙は、彼のためではない。

前世で踏みにじられた音楽の夢と、今世でも自分の作品を守れない悔しさのためだった。

契約式の日、結衣は早くから高級なドレスを私に着せてくれた。

スタジオの外で騒がしくなり、篠原景吾はスーツ姿で、リンカーンリムジンに座り、表情は誇らしげで得意げだった。

彼は車の窓を下ろし、見下ろすような目つきで私を見た。「協力しないってツンとしてたのに、どうした?おとなしく俺を待ってたじゃないか...」

彼の視線が私の姿に落ち、突然眉をひそめた。

「そのドレス、うちの会社が用意したものじゃないな...」

「加藤星蘭、随分と大胆だな!メディアの前で詩織の風采を奪うために、無断で服を変えたのか?」

「誰か!加藤さんを連れ戻して、私たちが用意したドレスに着替えさせろ!」

ボディガードらしき二人が前に出て、私を引き連れようとした。


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