江崎徹は剣客で、レベル五十に達した後、一次転職することになる。
その時、彼は二つの選択肢に直面する:
第一:獣族の剣士。
第二:人族の剣士。
獣族の剣士は双刀を手に、鎧を身につけ、攻撃力が強烈だ。人族の剣士は異なり、片手に剣を持ち、スピードで敵に立ち向かう。
弓使いも同様だ。
弓使いもレベル五十に達すると、二つの選択肢に直面する。エルフの弓使い、人族の弓使いだ。
大多数の弓使いはエルフの弓使いという転職方向を選ぶ。敏捷性と命中率が上昇するからだ。
さらに重要な点として、エルフの弓使いを選ぶと外見が変わる。淡い青色の目、高い鼻筋、そして尖った耳を得る。
女性も男性も、みな美しくなる。
二人は大通りを歩いていた。
周りには物を売る声が聞こえ、それらは全て怪物からドロップした装備品だった。また、生計を立てるために装備を作る生活支援職業の者たちもいた。
「魔法使い専用装備、レベル0でも装備可能、わずか六万円だよ」
「戦士専用装備、2レベルから装備可能、見逃せない特価品だ」
「極上装備品販売中、たった六十万円で、初心者にもおすすめ」
……
稲垣静香は笑って言った。「これらは全て初心者期間の学生をだますものよ。そんなもの買わないで。あなたは剣士だから、私がいい武器を探してあげる」
「ありがとう、稲垣さん」
「行きましょう、イケメン君。残念ね、あなたが弓使いで、将来エルフの弓使いになれば、どれだけかっこよくなるか知れないのに!」
えっと……
酒場の中。
徹が入るとすぐに、多くの勇者たちが目に入った。
これらの勇者たちは日中の修行の後、酒場に戻って酒を飲む。彼らは三々五々集まり、今日出会った怪物や女性、手に入れた装備について語り合っている。
徹にはこれが一種異なる江湖のように感じられた。
静香はバーカウンターに座り、「ブラッディメアリーを一杯」と注文した。
酒場の主人が近づき、徹を一瞥して言った。「おや、運がいいじゃないか。どこでこんなイケメンを見つけた?かっこいいね!」
「うるさい、彼は友達よ」
酒場の主人は一杯の酒を作り、静香の横に置き、小声で徹に言った。「ただで秘密を教えてあげよう、エルフの体力はすごくいいんだぞ」
徹は顔を赤らめて困惑した。
それが自分に何の関係があるというのか?
静香はいらだって言った。「消えなさいよ、何をデタラメ言ってるの。若い子を変な方向に導かないで。彼は友達なの。あなたが持ってる細剣、さっさと出しなさいよ」
「何の剣?」
「とぼけないで。あなた昔は剣士だったでしょ。今は酒場を開いてるけど、その宝物を私のこの友達にあげた方がいいわ」
頼むよ、友達なら友達でいいじゃないか。なぜ若いという言葉をつけるんだ?
「お前がいい考えを持ってないことはわかってたよ」
「早く出しなさいよ、本当に面倒くさい」静香は酒を飲みながら、不満そうに言った。
「待ってろ」
徹は不思議そうに尋ねた。「彼は剣士だったの?」
「昔は剣士だったわ。その後この小さな町で店主になって、もう剣を使わなくなったの。彼は宝物を持ってるの、あなたにぴったりよ」
静香は徹の手の短剣を見て尋ねた。「その短剣は学校からもらったものでしょ。どれも粗悪品ばかりよ」
徹はうなずいた。
【短剣】
【物理攻撃:0-1】
【魔法攻撃:0-1】
【耐久度:10/10】
粗悪な装備、粗悪なステータス。
酒場の主人は長剣を持って戻り、テーブルに置いた。
【精巧な長剣(黒鉄級)】
【物理攻撃:2-5】
【魔法攻撃:4-8】
【耐久度:10/10】
【一定確率で敏捷属性を発動し、敏捷性が上昇】
徹は驚いた。なんと黒鉄級の装備だ。
しかも長剣だ。
明示されていないが、徹にはわかっていた。これは長剣で、剣士だけが使う武器だ。戦士は大剣や斧、あるいは狼牙棒を使う。
静香が言った。「持っていきなさい。あなたは剣士だから、この剣はあなたにぴったりよ。初心者期間を過ぎたら、酒場の主人に返せばいい」
「ありがとう」
「そんなに礼儀正しくしなくていいわ。一杯どう?」
「彼はまだ学生だから、酒は必要ない」と主人が言った。
「ゆっくり楽しめばいい、おごるよ」
「じゃあ私もブラッディメアリーを一杯」
静香は徹を見て言った。「この酒はとても辛いわ。きっと慣れてないでしょう」
俺を甘く見るな。酒がどれほど辛いというんだ。二鍋頭だって飲んだことがある。二鍋頭より辛い酒があるというのか!
酒場の主人は笑って「待っていろ」と言った。
すぐに酒が準備され、徹の前に置かれた。徹は香りを嗅ぎ、困惑した表情を浮かべた。「血の匂いがする?」
「当然よ。そうでなきゃどうしてブラッディメアリーと呼ぶの?名前の通り、血の匂いがするの。そのうち慣れるわ」
徹は赤いブラッディメアリーをしばらく眺め、一気に飲み干した。
喉から小腹にかけて炎のような感覚が広がり、腹が燃えるように熱く、体中が火照って痛み、喉に血なまぐさい味が押し寄せた。
酒場の主人は驚いた表情で「さすが剣士だ」と言った。
「何を急いでるの?ゆっくり味わうものでしょ」
徹は大きく息を吐き出した。
酒場の主人は笑って言った。「そのうちわかるさ、人生は楽しむものだ。酔える日には酔っておくべきだ」
徹はこの酒場の主人が物語を持った人物だと感じた。
翌日の朝。
徹は起床し、身支度を整え、長剣を携えて出かけた。
【姓名:江崎徹】
【職業:剣客】
【レベル:8】
【経験値:100/6400】
【体質:19】
【力量:13】
【精神:20】
【敏捷性:5】
【装備:精巧な長剣(黒鉄級)鼠の指輪(青銅級)】
【空間:5】
【スキル:
基本剣術:全身の內力を集中し、前方に一筋の剣の光を放ち、敵を攻撃する。攻撃距離は40メートル、力の集中に0.3秒かかる。消費MP:1ポイント。
基本步法:短時間自分の敏捷性を高め、敵の攻撃を回避する。持続時間500秒、消費MP:1ポイント。
剣気・縱橫:百の剣気を生成し、周囲に浮かべ、能動的に敵を攻撃する。持続時間100分、攻撃頻度0.1秒、消費MP:2ポイント
パッシブスキル・瞑想:0.1秒間立ち止まることで、精神力をゆっくりと回復させる。回復量:1ポイント。】
引き続き怪物狩りを行う。
【魔化黒熊】
【レベル:8】
【HP:3200/3200】
【物理攻撃力:20-50】
【物理防御:40-50】
【魔法防御:40-50】
【紹介:強力な黒熊、決して怒らせないように……】
徹は眉をひそめた。
この黒熊は身長2メートルもあり、魔化した黒熊の全身は黒く、目は虚ろで、体は屈強だ。
3200のHP?
さすが黒熊、HPが厚い。徹は飛びかかり、素早く一筋の剣の光を黒熊に向かって放った。
剣気の四十メートルの距離で、黒熊を一撃で殺した。
【経験値+80】
いい感じだ、この経験値はかなり高い。通常のレベル8の怪物は70ポイントの経験値しかないが、黒熊は80ポイントで、他の魔化物より10ポイント多い。
引き続き獲物を探す。
黒熊の領地で大暴れし、周囲の魔化黒熊を片っ端から倒し、2時間かけてレベル9に上がった。