それに二人が恋をしているのなら、今まで純粋な兄妹のままでいるはずがない。
家に帰ると、姫君の母上様に散々叩かれた。
そのまま腫れたお尻で三日間うつ伏せに寝ていた。
藤原悠佑のやつが、またあの意地悪な笑みを浮かべて私の部屋に来た。
「暇なら、私のために考えてくれない?」
「おや、まだ諦めていないの?」
「まだ従姉のために花婿を探しているの?」
私は真面目な顔をして言った:「これは大事なことよ!」
「私が思うに、お兄様しかいないわ。」
「今度は私の言うことを聞いて、もう一度試してみて!」
私はとにかく人の言うことを聞きやすい性格で。
兄の書斎へ走っていった。
「お兄様、心に思う女性はいらっしゃいますか?」
我が家の礼儀正しく真面目な兄は目を逸らさなかった。
ただ、少し赤くなった耳先が何かを物語っていた。
「月華、ふざけないで。」
「ふざけているわけじゃないわ。もしお兄様が従姉のことを想っているのなら。」
「私がお兄様のお手伝いをできますよ!」
朝廷で若くして落ち着いているとされる郡王は、この時ばかりは言いよどんでいた。
「月華、私たちのような身分では、結婚は自分で決められないんだ。」
「時には両親でさえも決められないことがある。」
私は眉をひそめて彼を見つめた。
私の兄は何もかも良いのだけれど、大人びすぎているのが唯一の欠点。
時々考えすぎて、自分を疲れさせている。
「お兄様、もし天皇陛下の賜婚を心配しているのなら。」
「私に向けられるようにしましょう。」
私と藤原悠佑が何度も二人を引き合わせた後。
ついに私の堅物な兄も目が覚めた。
「藤原悠佑、やるじゃない。」
「お兄様は確かに従姉のことを密かに想っていたのね。」
藤原悠佑は無奈く私の頭を撫で乱した。
「私には彼の気持ちが分かるからね。」
「口に出せず、心の奥深くに秘めておくしかない、あの想い。」
私は彼の手を避けながら、振り返って彼を見た。